きゅうりの塩もみはなぜする?水っぽくしない下ごしらえ
きゅうりを塩もみするのは、調理する前に余分な水分を出し、酢の物やサラダの味が水っぽくなるのを防ぐためです。塩をまぶして少し置くと水分が出てくるので、調味料と合わせる前にしっかり水気を切りましょう。
基本の目安は、きゅうり約300gに塩小さじ1/3をまぶして10分ほど置く方法です。ただし、塩の量や水洗いするかどうかは料理によって違います。切り方から絞り方まで、失敗しにくい手順を紹介します。
きゅうりを塩もみすると何が変わる?
きゅうりは水分が多い野菜です。切ったきゅうりをそのまま調味液と合わせると、食べるころにきゅうりから水が出て、酢やしょうゆ、ごまだれなどの味が薄くなることがあります。
塩には、野菜の中から水分を外へ出す「脱水作用」があります。公益財団法人塩事業センターによると、野菜を塩もみして水分が出るのは、細胞の内側と外側の塩分の濃さの差によって水が移動するためです。この仕組みを「浸透圧」といいます。
キッコーマンも、先にきゅうりを塩もみして水気を抜くと、味がなじみやすくなり、シャキッとした歯ごたえを生かしながら水っぽさを抑えられると紹介しています。
基本の塩もみに使う分量
キッコーマンのきゅうり炒めの下ごしらえを参考にした、作りやすい分量です。
- きゅうり:3本(約300g)
- 塩:小さじ1/3
- ボウル、包丁、ざる
この分量では、きゅうりを5mm厚さの斜め薄切りにして、塩をまぶしたあと約10分置きます。炒め物だけでなく、あえ物などの水分を減らしたいときにも応用しやすい下ごしらえです。
水っぽくしない塩もみの手順
1. きゅうりを洗って5mm厚さに切る
きゅうりの表面を流水で洗い、両端を切り落とします。斜めに5mmほどの厚さで切り、ボウルに入れましょう。厚さをそろえると、塩のなじみ方もそろえやすくなります。
酢の物にはもっと薄い小口切りも向いていますが、切り方が変わると食感や下処理の手順も変わります。ここでは5mmの斜め薄切りで作ります。
2. 塩小さじ1/3を全体にまぶす
きゅうり約300gに塩小さじ1/3をふり、手や箸で全体を混ぜます。塩が一か所に固まらないように、切り口にまんべんなくなじませてください。
強く握りつぶす必要はありません。きゅうりの形が残るように、軽く混ぜながら塩を行き渡らせましょう。
3. 約10分置き、出てきた水分を捨てる
ボウルに入れたまま約10分置きます。きゅうりが少ししんなりし、底に水分が出てきたら、ざるに上げて水を切ります。
キッコーマンのレシピでも、塩をまぶして10分ほど置き、出てきた水分を切るよう案内しています。時間はひとつの目安なので、きゅうりの状態も確かめましょう。
4. 何度かに分けて水気を絞る
手に取りやすい量ずつ両手ではさみ、ぎゅっと短く押して水気を出します。きゅうりの形を崩さないように、少しずつ絞りましょう。
キッコーマンの酢の物の解説では、両手を合わせて何回かに分けて水分を絞る方法が紹介されています。強く絞りすぎると歯ざわりや香りが損なわれるため、水を切ることと、きゅうりをつぶすことは分けて考えてください。
5. 調味料と合わせるのは最後にする
絞ったきゅうりをボウルに戻し、酢やしょうゆ、調味料を加えてあえます。酢の物やサラダは、食べる直前に味つけすると、水分で味が薄くなるのをさらに防ぎやすくなります。
水気を切ったあとも、きゅうりには水分が残っています。早くから調味液に浸けたままにする場合は、料理に合わせた漬け物のレシピを使いましょう。
塩もみしたきゅうりは水で洗う?
水洗いが必要かどうかは、使った塩の量とレシピによって変わります。今回のきゅうり300gに塩小さじ1/3を使うキッコーマンの方法では、10分置いたあとに水気を絞り、水洗いはしません。
一方、味の素パークの「きゅうりもみ」では、塩でもんでしばらく置いたきゅうりを水洗いし、よく絞ってから甘酢と合わせています。塩を多めに使う料理や、水洗いが指定されているレシピでは、その手順に従ってください。
毎回洗い流すと決めるのではなく、どのくらい塩を使ったかを確認しましょう。水洗いする場合も、最後に水気をしっかり絞ることが大切です。
薄切りの酢の物なら塩水を使う方法もある
きゅうりをつぶさずに均一に塩味を付けたいときは、塩を直接まぶす代わりに塩水になじませる方法があります。キッコーマンの「きゅうりとわかめの酢のもの」は、次の配合を使います。
- きゅうり:2本(約200g)
- 塩水用の水:大さじ3
- 塩水用の塩:小さじ1/2
このレシピでは、板ずりをしてから水洗いしたきゅうりを2mm厚さの輪切りにします。水大さじ3と塩小さじ1/2を混ぜてふりかけ、やさしく混ぜて15分置き、水気を絞ってから合わせ酢とあえます。
塩水を使うのは、薄いきゅうりの組織を傷つけず、全体に塩味をなじませるためです。上の「5mmの斜め切りを塩もみする方法」とは違う配合なので、塩の量と時間を混ぜて使わないようにしましょう。
塩もみと板ずりの違いは?
「塩もみ」と「板ずり」は似ていますが、目的が少し異なります。
塩もみは、主に切ったきゅうりに塩をなじませ、余分な水分を出す方法です。酢の物やあえ物を水っぽくしたくないときに役立ちます。
板ずりは、切る前のきゅうりに塩をまぶし、まな板の上で転がす方法です。キッコーマンは、表面のいぼを取ることや、色を鮮やかに見せることなどを目的として紹介しています。板ずり後は水洗いして塩を落とし、料理に合わせて切ります。
両方を行うレシピもありますが、水っぽさを防ぎたいだけなら、切ったあとに塩もみして水気を絞ることが基本になります。
塩もみをしても水っぽくなるときは?
- 置いた時間が短い:きゅうりがまだ硬く、水分がほとんど出ていなければ、レシピの目安まで置きましょう。
- ざるに上げただけで絞っていない:水気が残るので、形を崩さないように絞ります。
- 早くから調味料を加えている:酢の物やあえ物なら、盛りつける直前に味を付けます。
- 種の部分から水が出る:種の多いきゅうりを漬け物に使う場合は、縦半分に切り、スプーンで種を取る方法もあります。キッコーマンは種を取ることで水っぽさを抑えると紹介しています。
すでに酢の物が水っぽくなった場合は、カゴメが紹介するように、余分な漬け汁を捨てて味を確認し、必要に応じて調味液を少しずつ足して調整できます。ただし、塩もみで出した水分を後から元に戻せるわけではありません。
まとめ
きゅうりを塩もみするのは、塩の働きで余分な水分を先に出し、料理の味が薄まるのを防ぐためです。きゅうり300gなら塩小さじ1/3をまぶして約10分置き、水を切ってからつぶさないように絞ります。薄切りの酢の物なら塩水を使う別の方法もあり、料理に合わせて選ぶのがコツです。