豚肉をやわらかく焼くには?固くならない火入れの方法
豚肉をやわらかく焼くには、肉の厚さに合わせて火加減を変え、中心まで十分に火が通ったら焼き続けないことが大切です。薄いしょうが焼き用の肉は中火で手早く、厚さ1.5cmほどのソテー用の肉は中火で焼き始め、火を弱めて中心まで熱を通します。
ただし、やわらかさを優先して豚肉を半生にするのは危険です。加熱の目安は中心温度75℃で1分間以上。肉の厚さと火力で必要な時間は変わるため、レシピの焼き時間は目安として使いましょう。
豚肉はなぜ焼きすぎると硬くなる?
豚肉は加熱すると筋肉のたんぱく質が変化し、繊維が縮みます。長く加熱しすぎると肉汁や水分が抜け、かみ切りにくい食感になりやすくなります。キッコーマンも、しょうが焼きでは火の通った肉を長く加熱しないことを、やわらかく仕上げるコツとして紹介しています。
薄い肉と厚い肉に同じ火加減や時間を当てはめるのは避けましょう。薄い肉は早く火が通る一方、厚い肉は表面が焼けても中心に十分熱が届いていないことがあります。
焼く前にしておく準備
- 厚さをなるべくそろえる:厚さが違う肉を同じフライパンで焼くと、薄い部分を加熱しすぎることがあります。焼き始める前に厚みを確認します。
- 厚切りロース肉は筋切りする:赤身と脂身の境目にある白っぽい筋へ、包丁の先で3〜4か所小さく切り込みを入れます。焼き縮みや反り返りを抑えられます。
- 表面の水分を拭く:キッチンペーパーで余分な水気を取ると、焼くときに水が出にくく、焼き色をつけやすくなります。
- 重ならずに並べられる量にする:一度に肉を入れすぎると、焼き色や火の通りにむらが出ます。フライパンが小さい場合は分けて焼きましょう。
筋切りやたたく下ごしらえを行う場合も、切り込みを深く入れすぎたり強くたたきすぎたりすると、肉汁が出てしまいます。硬い筋を切り、厚さを整える程度で十分です。
厚切り豚肉は中火から弱めの中火で焼く
ポークソテー用の豚肩ロースなら、ふたをして片面を焼き、裏返して弱めの中火で中心まで加熱する方法があります。キッコーマンの豚肉のソテーを参考にした、火入れの一例です。
材料(2人分)
- 豚肩ロース肉(厚さ約1.5cm):2枚
- 玉ねぎ:1個
- 薄力粉:大さじ1
- オリーブオイル:大さじ1/2
- 塩・こしょう:各少々
焼き方
- 玉ねぎは厚さ約1cmの輪切りにします。豚肉は必要な筋切りをして塩・こしょうを振り、薄力粉を全体に薄くまぶします。
- フライパンにオリーブオイルを入れて中火で温め、豚肉と玉ねぎを重ならないように並べます。ふたをして2〜3分焼きます。
- 肉と玉ねぎを裏返し、ふたを外して弱めの中火で3分ほど焼きます。
- 最も厚い部分の中心温度を確認します。75℃以上で1分間以上の加熱に達していなければ、火を弱め、必要に応じてふたをして追加で加熱します。
- 十分に火が通ったら肉を取り出します。しょうゆやみりんを使うソースを作る場合は、肉をいったん取り出してから仕上げると、肉の焼きすぎを防ぎやすくなります。
ここでの2〜3分と3分は、厚さ約1.5cmの肉を使う公式レシピの目安です。肉の大きさ、フライパン、コンロの火力で火の通り方は変わります。時間が過ぎたから完成、と判断しないことが重要です。
薄いしょうが焼き用の豚肉は手早く焼く
しょうが焼き用の薄めの豚肉は、厚切り肉のように長く蒸し焼きにせず、中火で両面を焼いてからたれをからめます。キッコーマンの基本のしょうが焼きでは、豚肩ロース肉250〜300gを使い、次の順番で火を入れています。
- 豚肉の水気を拭き、すりおろししょうが1かけ分と酒小さじ2をからめて5分置きます。
- フライパンにサラダ油大さじ1/2を中火で熱し、肉を広げて動かさずに2〜3分焼きます。
- 焼き色がついたら上下を返し、30秒〜1分ほど焼きます。
- フライパンの中央を空け、しょうゆ大さじ2、砂糖大さじ1、酒大さじ1、すりおろししょうが2かけ分を合わせたたれを加えます。たれを煮立て、肉と手早くからめ、十分に火が通ったところで火を止めます。
薄切り肉の厚さや重なり具合によって火の通り方は違います。肉の中心まで火が通っていない場合は加熱を続けてください。たれをからめたあとも長く煮詰め続けると、せっかくの肉が硬くなりやすくなります。
野菜と一緒に焼く場合は肉を取り出しておく
薄切りの豚肉を玉ねぎやきのこなどと炒めるときは、野菜に火が通るまで肉を入れっぱなしにすると、豚肉の加熱時間が長くなります。
肉に十分に火が通ったらいったん皿に取り出し、同じフライパンで野菜を炒めましょう。野菜が仕上がったら火を止め、焼いた豚肉を戻して合わせます。キッコーマンも、野菜をたくさん使うしょうが焼きで、先に火を通した肉を取り出し、野菜の調理後に戻す方法を紹介しています。
焼けたかどうかは中心まで確認する
厚生労働省は、豚肉や内臓を生または加熱不十分な状態で食べると、E型肝炎ウイルスや食中毒菌などによる健康被害のおそれがあると注意を呼びかけています。新鮮な豚肉でも、中心まで十分に加熱する必要があります。
農林水産省が示す家庭での加熱の目安は肉の中心温度75℃で1分間以上です。厚切り肉では、食品用温度計を最も厚い部分の中心に差して測ると確認しやすくなります。表面の焼き色だけでは、中心まで十分に加熱できたか判断できません。
また、生肉を扱ったトングや箸を、焼けた肉を盛りつけるときにそのまま使わないでください。焼く前の肉に触れた手や調理器具も、別の食品に触れる前に洗いましょう。