鶏むね肉をやわらかくするには?パサつきを防ぐ調理のコツ

料理・調理
ソボチエ編集部

鶏むね肉をやわらかく仕上げるには、繊維を断つようにそぎ切りにし、酒などで下味をつけて片栗粉を薄くまぶし、中まで火を通しながら加熱しすぎを避けるのがコツです。下ごしらえと焼き方を少し変えると、パサつきを抑えた食感に近づけられます。

一口大に切って焼く場合と、一枚のまま焼く場合では火の通り方が違います。まずは家庭で試しやすい、一口大のそぎ切りを使った方法から紹介します。

鶏むね肉がパサつきやすい理由

鶏むね肉は、鶏もも肉に比べて脂肪やコラーゲンが少ない部位です。加熱すると肉の繊維が縮み、中の水分が押し出されます。強い火で長く焼いたり、火が通ったあとも加熱を続けたりすると、水分が減って硬く、パサついた食感になりやすくなります。

そこで、肉をかみ切りやすくする切り方、焼く前の水分を保つ下味、必要なところまで火を通す加熱を組み合わせます。

繊維を断つ「そぎ切り」にする

鶏むね肉の表面には、細い筋目が走っています。実は一枚の中でも筋目の向きが一方向ではないため、丸ごと同じ向きに切るより、先に三つほどのかたまりに分けると切りやすくなります。

  1. 鶏むね肉をまな板に置き、厚みのある部分と細長い部分の筋目を確かめます。
  2. 筋目の向きが変わるところで、おおよそ三つの部分に切り分けます。
  3. それぞれ筋目に対して直角に包丁を入れ、刃を少し寝かせて手前に引くように、一口大のそぎ切りにします。
  4. 焼くときに火の通りがそろうよう、大きさと厚さをできるだけそろえます。

そぎ切りは、包丁を斜めに入れて切り口を広くする切り方です。繊維を短くすると、食べるときにもかみ切りやすくなります。味の素パークでは、鶏むね肉の繊維の向きに合わせて切り分ける方法を紹介しています。

酒と下味をもみ込み、片栗粉を薄くまぶす

切った鶏むね肉は、焼く前に調味料をなじませ、片栗粉で表面を覆います。片栗粉を薄くまぶすと水分やうま味が逃げにくくなり、しっとりした仕上がりを助けます。

材料(2人分)

  • 鶏むね肉(皮なし):約300g
  • しょうゆ:大さじ1/2
  • 酒:大さじ1/2
  • 片栗粉:適量(肉の表面に薄くつく程度)
  • サラダ油:大さじ2

この分量と下ごしらえは、キッコーマンの「揚げ鶏のゆずこしょうねぎだれ」の肉の調理部分を参考にしています。

  1. そぎ切りにした肉をボウルに入れ、しょうゆと酒を加えて全体にもみ込みます。
  2. 冷蔵庫で5分ほど置き、調味料をなじませます。
  3. 焼く直前に片栗粉を少しずつまぶし、全体に薄くつけます。粉を厚くつけすぎると仕上がりが重くなるので、余分な粉は軽く落とします。

フライパンでは中火で両面を焼く

フライパンにサラダ油を入れて中火で温め、鶏むね肉を重ならないように広げます。キッコーマンのレシピでは、片面2〜3分ずつ焼き、両面に焼き色をつける方法が紹介されています。

ただし、焼く時間は肉の厚さ、フライパンの大きさ、火力で変わります。表面に焼き色がついても中心が生のことがあるため、中心温度が75℃以上で1分間以上になるまで十分に加熱してください。食材用の温度計があると確認しやすくなります。中心に火が通っていない場合は、火を弱めて加熱を続けます。

むやみに強火にしたり、中心まで火が通ったあとも焼き続けたりするとパサつきの原因になります。適切な大きさに切って火の通りをそろえることが大切です。

酒と砂糖を使う下味の方法もある

しょうゆ味にしたくない場合は、酒と砂糖をもみ込む方法もあります。味の素パークでは、鶏むね肉1枚(約300g)に対して、酒大さじ1/2〜1、砂糖小さじ1/2〜1を目安に紹介しています。酒の代わりに水を使う方法もあります。

下味をなじませたら、焼く前に片栗粉をまぶします。砂糖には水分を保つ働きがあり、肉のしっとりした食感を助けます。この方法を使うときは、先ほどのしょうゆと酒の下味とは別の味付けとして試し、仕上げの調味料を調整しましょう。

一枚のまま焼くときは厚みをそろえる

鶏むね肉を一枚のままソテーにする場合は、厚いところだけ火が通りにくくなります。厚い部分に包丁を入れて左右に開く「観音開き」にし、全体の厚みをできるだけそろえると加熱しやすくなります。

キッコーマンは、一枚肉に小麦粉を薄くまぶして焼き、裏返してからふたをして弱火で蒸し焼きにする方法も紹介しています。厚いまま強火で外側だけ焼き固めるより、ふたを使って中心まで火を通すのがポイントです。

一枚肉は大きさによって必要な加熱時間が変わります。余熱だけで火が通ったと考えず、中心の温度を確かめて仕上げてください。

生の鶏肉を扱うときの注意点

生の鶏肉は水洗いしないでください。水がはねると、肉についている食中毒菌が周囲に広がるおそれがあります。表面の水分が気になるときは、キッチンペーパーで拭き取ります。

肉を切ったまな板や包丁、肉に触れた手はよく洗い、生で食べる野菜などに触れさせないようにしましょう。農林水産省と厚生労働省は、鶏肉を中心部まで十分に加熱し、中心温度75℃以上で1分間以上を目安にするよう案内しています。やわらかさを優先して半生で食べることは避けます。

参考資料