肉をやわらかくするには?家庭でできる下ごしらえ

料理・調理
ソボチエ編集部

肉をやわらかく食べたいときは、繊維を断つ向きに切る、筋を切る、軽くたたくといった下ごしらえが役立ちます。豚肉や鶏肉をしっとり仕上げたいなら、プレーンヨーグルトに漬ける方法もあります。

切り方や筋切りは「かみ切りやすくする」工夫、漬け込みは「水分を保ってしっとりさせる」工夫です。肉の厚さや料理に合わせて選ぶと、特別な道具がなくても試せます。

最初に肉の繊維と筋を見分ける

肉の赤い部分をよく見ると、細い線が同じ方向に並んでいるところがあります。この線の向きが、筋肉の繊維の方向です。繊維が長く残ったままだと、食べるときにかみ切りにくくなることがあります。

一方、赤身と脂身の境目などに見える白っぽくて硬い筋は、加熱すると縮みやすい部分です。繊維を断ち切ることと、硬い筋に切り込みを入れることは別の下ごしらえなので、肉の状態に合わせて行いましょう。

切って使う肉は繊維に直角に包丁を入れる

焼き肉や炒め物用に切るなら、まず肉の表面で繊維が走っている方向を確かめます。その線を横切るように、繊維に対して直角に包丁を入れるのがポイントです。口に入る肉の中で繊維が短くなるため、かみ切りやすい食感につながります。

  1. 肉をまな板に置き、赤身の細い筋目が伸びる方向を確認します。
  2. その筋目と交差するように包丁を当てます。
  3. 焼き肉なら薄切りに、炒め物なら食べやすい幅に切り分けます。

例えば、米国食肉輸出連合会は牛肩ロースの焼き肉用の切り方として、繊維に垂直に厚さ約7mmで切る方法を紹介しています。すでに薄切りになっている肉は、無理に切り直す必要はありません。

厚切りの豚ロースなどは筋切りをする

とんかつやポークソテーなどの厚切り肉は、焼く前に筋切りをすると反り返りや縮みを抑えやすくなります。

  1. 赤身と脂身の境目にある、白っぽく硬い筋を探します。
  2. 包丁の先で筋を横切るように、3〜4か所に小さな切り込みを入れます。
  3. 厚い肉で反対側にも筋が見える場合は、裏側にも必要な切り込みを入れます。

切り込みは筋が切れる程度で十分です。肉を深く切り裂くと肉汁が出やすくなるため、小さな切り込みにとどめましょう。筋切りは、肉全体を細かく刻む作業ではありません。

硬い肉は軽くたたいて厚さをそろえる

硬さが気になる一枚肉や、厚さにむらのある肉は、包丁の背やめん棒で全体をたたく方法があります。筋肉の繊維をほぐすだけでなく、厚さをそろえることで火の通りも均一になりやすくなります。

肉をまな板に置き、清潔なラップで覆ってから、包丁の背やめん棒で少しずつたたきます。一か所だけ強く打たず、全体がほぼ同じ厚さになるところで止めるのがコツです。

強くたたきすぎると、肉の組織が壊れすぎて肉汁が出たり、食感が悪くなったりします。薄切り肉や、すでにやわらかい肉なら、この作業は省いて構いません。

ヨーグルトに漬けてしっとり仕上げる

肉の水分を保ちたいときには、砂糖の入っていないプレーンヨーグルトを使う方法もあります。明治によると、ヨーグルトに含まれるたんぱく質が肉の水分を保ちやすくし、しっとりした仕上がりにつながると考えられています。

薄切り豚肉で試すなら、明治のレシピを参考に次の分量から始められます。

  • 豚もも薄切り肉、またはしょうが焼き用:300g
  • 無糖のプレーンヨーグルト:大さじ2
  1. 豚肉にヨーグルトを加えて、全体になじむようにもみ込みます。
  2. 清潔な袋かふた付き容器に入れ、冷蔵庫で30分ほど置きます。
  3. 調理するときは、表面に多く残ったヨーグルトを軽くぬぐい、料理に合わせて焼くか炒めます。

明治の薄切り豚肉のレシピには短時間でもヨーグルトをなじませる方法があり、同社の料理の解説では漬け込みの目安を30分以上としています。時間をかけて漬ける場合も、室温に放置せず冷蔵庫で保管してください。

下ごしらえで気をつけること

生の肉に触れた手や包丁、まな板は、別の食材を扱う前によく洗いましょう。肉に使った漬け汁を、加熱せずそのまま料理の仕上げにかけるのも避けます。漬け汁が不要なら廃棄してください。

また、筋切りやたたく作業をした肉、調味液に漬けた肉は、中心まで十分に火を通すことが大切です。農林水産省は、こうした下処理によって肉の表面にいた細菌が内部に入り込む場合があると説明しています。下ごしらえで食感をよくしても、加熱を省くことはできません。

参考資料