お礼状ははがきと封書どちらがいい?使い分け方

マナー・付き合い
ソボチエ編集部

お礼状は、親しい人へ短く感謝を伝えるなら「はがき」、目上の方や取引先へ改まってお礼をするなら「封書」が目安です。はがきでお礼を伝えること自体は失礼ではありません。ただし、はがきの文章は配達中などに第三者の目に触れる可能性があるため、家族の事情や金銭に関することを書くなら封書を選びましょう。相手との関係と、文章の内容で使い分けるのが基本です。

お礼状をはがきで出すのは失礼?

お礼状は必ず封書でなければならない、という決まりはありません。日本郵便の「手紙にまつわるQ&A」では、お礼状は手紙の方が丁寧としつつ、ささやかな贈り物へのお礼を立派すぎる手紙にすると、相手を困惑させる場合もあるため、はがきと使い分けるよう案内しています。

例えば、親しい友人からお菓子をいただいたお礼や、近所の方にお世話になったお礼なら、はがきに短い感謝の言葉を書く方法があります。簡潔に伝えることが、その相手との関係に合う場合もあります。

一方、特別にお世話になった方へ感謝を改まって伝える場合は、封書の方が丁寧な印象になります。大切なのは、はがきか封書かだけで決めるのではなく、相手と贈り物の内容にふさわしい形を選ぶことです。

相手と用件別に、はがき・封書を選ぶ

迷ったときは、次の目安で整理すると分かりやすくなります。

お礼をする相手・内容 選び方の目安
親しい友人や親族への短いお礼 はがきでもよい
近所の方への日常的なお礼 はがきでもよい
恩師・上司・目上の方への改まったお礼 封書が丁寧
取引先への正式なお礼 封書が基本。会社の慣習ではがきの場合も
お中元・お歳暮の定型的なお礼 関係に応じてはがき・封書
家庭や健康、金銭など個人的な事情を含む 封書を選ぶ
長い文章で経緯や気持ちを伝えたい 封書を選ぶ

西武・そごうや三越伊勢丹の贈答マナーでも、目上の方・ビジネス相手には縦書きの封書が丁寧としながら、親しい相手へのお礼にははがきも使えるとしています。

封書を選びたいのは、改まったお礼や長い文章を書く場合

封書は、便箋に書いた文章を封筒に入れて送る手紙です。改まった感謝を伝えたいときや、文章をほかの人に読まれたくないときに向いています。

仕事の取引先へ正式なお礼をする場合、恩師へ長年の感謝を伝える場合、入学・結婚など大きな節目で特にお世話になった人へのお礼などが例です。小田急百貨店は、お礼状の形式として縦書きの封書を最も丁寧な形として紹介しています。

便箋は、改まった相手なら白無地など落ち着いたものを選ぶと安心です。封筒に入れれば、はがきと違って本文を外からすぐに読むことができません。事情を詳しく書きたい場合も、文章量に余裕があります。

はがきは、短く気持ちを伝えたいときに便利

はがきは、簡潔なお礼や季節の挨拶、事務的な連絡などに向いています。レター用品メーカー「ミドリ」の手紙マナーでは、封書にするほど重くないお礼状や挨拶状に適していると説明しています。

たとえば友人からいただいたお土産へのお礼や、気軽な贈り物への感謝なら、はがき一枚に必要なことをまとめられます。お中元・お歳暮のお礼でも、相手との関係や会社の慣習によってははがきを使います。

はがきだからといって「ありがとうございました」だけにする必要はありません。何をしてもらったか、どんな気持ちになったかを一言加えると、形式的すぎないお礼になります。

家族の事情やお金のことは、はがきに書かない

はがきは、宛名と本文が書かれた面がそのまま見えるため、配達中や受け取った後に、本人以外の目に触れる場合があります。日本郵便も、人に見られたくない内容は、短くても封書にした方がよいと案内しています。

例えば、病気や家族の事情、金銭の話、個人的な相談などは封書に書きましょう。贈ってもらった品物のお礼を伝えるだけなら、具体的な家庭の事情まで書く必要はありません。

相手が人に見られて困る内容かどうかを、はがきを出す前に確認することが大切です。取引先へのお礼でも、社内の事情や取引に関する情報をはがきに書かないようにします。

縦書きと横書きはどう選ぶ?

改まったお礼状では、縦書きが丁寧な形式とされています。目上の方や取引先へ出す場合は、封書もはがきも縦書きを基本にすると選びやすくなります。

一方、親しい相手へのお礼なら、はがきや便箋を横書きで使ってもかまいません。ミドリの手紙マナーでも、横書きは親しい相手に向いたカジュアルな書き方としています。会社宛ての手紙で数字や英語の表記が多い場合は、読みやすさを考えて横書きを選ぶ方法もあります。

絵柄のあるはがきや季節感のある便箋を選ぶ場合も、相手との関係に合う落ち着いたデザインを選びましょう。改まった礼状なら白い便箋と封筒が使いやすくなります。

はがきと封書では、文章の組み立て方も少し違う

どちらも最初に相手を気遣い、次に感謝を伝え、最後に結びの挨拶を書く流れが基本です。ただし、書ける分量や形式は少し異なります。

はがきは、短い文章を3つに分ける

はがきは、挨拶・お礼の本文・結びの言葉の順に書くとまとまります。宛名と差出人は宛名面に記載するため、本文の最後に封書と同じ「後付け」を必ず置く必要はありません。小さな文字でびっしり書かず、読みやすい余白を残します。

封書は、便箋の基本構成に沿って書く

改まった封書は、前文・主文・末文・後付けの順に書きます。前文には「拝啓」などの書き出しや季節の挨拶、主文にはお礼、末文には結びの言葉、後付けには日付・差出人・宛名を記します。

なお、日本郵便は、便箋が1枚だけでも失礼にはならないと案内しています。お礼が短くまとまるなら、文章を無理に長くしたり、白紙を一枚加えたりする必要はありません。

そのまま使える、はがきと封書のお礼の例

親しい方へ送るはがきの例

「先日はお心のこもった贈り物をありがとうございました。家族でいただくのを楽しみにしています。いつも気にかけてくださり、うれしく思っています。またお会いできる日を楽しみにしています。」

食べ物以外をいただいた場合は、「大切に使わせていただきます」など、実際の品物に合う表現に変えましょう。

目上の方へ送る封書の例

「拝啓 お変わりなくお過ごしでしょうか。このたびはご丁寧なお品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。温かいお心遣いに、心より感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。敬具」

便箋には、実際の季節に合う挨拶や品物への感想を加え、最後に日付・差出人・宛名を書きます。相手との関係に合わせ、形式ばりすぎない言葉に調整してかまいません。

形式に迷ったら、早めに届くことも大切にする

お礼状は、気持ちが伝わる時期に届けることも大切です。日本郵便も、お礼の手紙は日を置くほど書きづらくなるため、タイミングよく出すよう案内しています。

迷っていて発送が遅れそうなら、先に電話やメールで感謝を伝えてから、必要に応じてお礼状を送りましょう。ただし、短いお礼なら必ず二度連絡する必要はなく、相手との関係に合う形で十分です。

郵送するときは、宛先と差出人、必要な郵便料金を確認します。日本郵便によれば、料金不足では送り返されたり、受取人に不足分の支払いを求められたりする場合があります。はがきか封書かに迷ったら、相手との関係、書く内容の公開性、文章の長さの3点で判断するとよいでしょう。

参考資料