お彼岸はなぜ7日間ある?春分・秋分の日との関係
お彼岸が7日間あるのは、春分の日・秋分の日を「中日(ちゅうにち)」として、前の3日間と後の3日間を合わせるためです。仏教では、この7日間を自分の生き方を見つめ直す期間と考え、中日以外の6日間に「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という六つの行いを実践するという説明もあります。春と秋にそれぞれ1回あり、毎年の日付は春分・秋分の日によって決まります。
お彼岸の7日間は「3日+中日+3日」
お彼岸は、春分の日または秋分の日を真ん中にして数えます。最初の日から最後の日まで、次のような呼び名があります。
- 彼岸入り:春分・秋分の日の3日前。お彼岸が始まる日です。
- 中日(お中日):期間の4日目。春分の日または秋分の日に当たります。
- 彼岸明け:春分・秋分の日の3日後。お彼岸が終わる日です。
真ん中の1日を含めるので、前3日+中日1日+後3日=7日間になります。「春のお彼岸は春分の日だけ」というわけではありません。浄土宗も、春・秋ともに中日とその前後3日間をお彼岸として案内しています。
2026年・2027年のお彼岸はいつからいつまで?
国立天文台の暦要項で示されている春分・秋分の日をもとにすると、お彼岸の期間は次のとおりです。
- 2026年の春:3月17日~23日(中日は3月20日)
- 2026年の秋:9月20日~26日(中日は9月23日)
- 2027年の春:3月18日~24日(中日は3月21日)
- 2027年の秋:9月20日~26日(中日は9月23日)
国立天文台の暦要項に「彼岸」と記されている日は、7日間全部ではなく「彼岸入り」の日です。春分・秋分は太陽の位置をもとに決まるので、年によって日付が変わり、彼岸入りや彼岸明けの日も動きます。
その年の予定を決めるときは、春分・秋分の日を確かめて、そこから前後3日ずつ数えると分かりやすくなります。
なぜ7日間?仏教の「六波羅蜜」との関係
お彼岸の7日間には、仏教の教えに基づく意味もあります。曹洞宗は、この1週間を善い行いに取り組み、仏さまの教えを実践する時期として説明しています。
「六波羅蜜」とは、迷いの世界からさとりの世界へ向かうために大切にする六つの行いです。日蓮宗は、中日以外の6日間に一つずつ実践し、中日にはご先祖さまへの感謝を伝えるという過ごし方を紹介しています。
- 布施(ふせ):人に親切にし、物や気持ちを分け合う。
- 持戒(じかい):約束や決まりを守り、自分の行動を整える。
- 忍辱(にんにく):怒りに流されず、困難に落ち着いて向き合う。
- 精進(しょうじん):よいことを続けるために努力する。
- 禅定(ぜんじょう):心を静かにし、自分を見つめる。
- 智慧(ちえ):物事を正しく理解し、考える。
これらは特別な修行だけを指すものではありません。たとえば、家族に感謝を伝える、困っている人を助ける、少し落ち着いて考えることも、日常の中で取り組めます。
春分・秋分の日が真ん中なのはなぜ?
春分・秋分のころは、太陽がほぼ真東から昇り、ほぼ真西に沈みます。仏教のうち、阿弥陀仏を信仰する浄土教では、西の方角に「極楽浄土(ごくらくじょうど)」があると考えられてきました。
浄土宗や浄土真宗本願寺派は、春分・秋分の夕日に西方極楽浄土を重ね、仏さまの世界に思いを向ける時期としてお彼岸を大切にしてきたと説明しています。
そもそも「彼岸」は「向こう岸」という意味の仏教の言葉です。迷いや苦しみのある私たちの世界を「此岸(しがん)」、さとりの世界を「彼岸」にたとえます。春分と秋分は、季節の節目であると同時に、その教えを思い起こす日でもあるのです。
お彼岸は昔から7日間だった?
お彼岸は、日本で独自に発達した仏教行事とされています。曹洞宗によると、平安時代初めの大同元年(806年)に、春と秋それぞれ7日間、お経を読むよう命じた記録が『日本後紀』にあります。
その後、お寺での彼岸会(ひがんえ)や、ご先祖さまを思って手を合わせる風習として広まっていきました。このように、7日間という期間自体にも古い歴史があります。
ただし、六波羅蜜の六つと中日の一つを合わせたことだけが、7日間になった最初の理由だと確定しているわけではありません。古い行事の記録と、現在伝えられている仏教的な意味を分けて理解するとよいでしょう。
お墓参りは中日でなくてもいい?
お墓参りや仏壇へのお参りは、必ず春分・秋分の中日にしなければならないわけではありません。お彼岸の期間中、家族の都合が合う日にお参りできます。お寺の彼岸法要に参加する場合は、開催日を確認しましょう。
春分の日と秋分の日は国民の祝日ですが、前後を含む7日間すべてが祝日になるわけではありません。忙しくてお墓へ行けない場合も、家で手を合わせたり、普段の暮らしの中で感謝を伝えたりする過ごし方があります。
お彼岸の7日間は、春分・秋分を中心に、ご先祖さまを思い、日々の行いを見つめ直すための節目なのです。