白酒と甘酒は何が違う?ひな祭りで飲むのはどちら?
ひな祭りに昔から飲まれてきたのは、お酒の「白酒(しろざけ)」です。一方、子どもと一緒にひな祭りを楽しむなら、アルコール分0.0%の「米こうじ甘酒」が向いています。白酒はアルコールを約10%含む酒類で、20歳未満の人は飲めません。「甘酒」という名前でも、酒かすを使ったものにはアルコールが残る場合があるため、選ぶときは原材料と表示を確かめましょう。
白酒と甘酒のいちばん大きな違いはアルコール
白く濁って甘いところは似ていますが、白酒と甘酒は作り方もアルコールの量も違います。農林水産省は、両者を別の飲み物として説明しています。
- 白酒:もち米や米こうじ、焼酎などを使い、熟成させて作るお酒。アルコール度数はおよそ10%です。
- 米こうじ甘酒:米やご飯に米こうじを加え、米のでんぷんを糖に変えて甘くした飲み物。アルコールを含まない市販品があります。
- 酒かす甘酒:日本酒を造るときにできる酒かすを水に溶き、砂糖などで甘くした飲み物。少量のアルコールが残ることがあります。
「白い飲み物だからアルコールがない」「甘酒だから必ずノンアルコール」とは判断できません。見た目ではなく、商品の表示で区別することが大切です。
白酒はどのように作る?甘くても酒類の一つ
日本のひな祭りでいう白酒は、蒸したもち米に米こうじや焼酎などを合わせ、1か月ほど熟成させてから、できたもろみをすりつぶして作る飲み物です。使うお酒にみりんを用いる製法もあります。
米の粒が細かく混ざるので、白く濁り、とろりとした口当たりになります。甘みが強いためジュースのように感じるかもしれませんが、農林水産省によるとアルコール度数は10%前後です。白酒は甘くても、アルコールを含むお酒だと覚えておきましょう。
江戸時代から白酒を造ってきた豊島屋本店も、白酒を甘いお米のリキュールとして紹介しています。一般的な米こうじ甘酒とは、製法も飲む人も異なります。
甘酒には「米こうじ」と「酒かす」の二種類がある
甘酒は大きく分けて、米こうじを使うものと、酒かすを使うものの二種類です。
米こうじ甘酒は、米に含まれるでんぷんを、こうじの働きで甘い糖分に変えて作ります。砂糖を加えなくても甘くなるのが特徴です。ひかり味噌は、自社の米こうじ甘酒にはアルコールが含まれていないと案内しています。
酒かす甘酒は、日本酒を搾ったあとに残る酒かすを使うため、アルコールが残ることがあります。市販されている甘酒にはアルコール分1%未満のものもありますが、「酒類に当たらない」ことと「アルコールがまったくない」ことは同じではありません。
ひかり味噌も、酒かす甘酒について、子どもや妊娠中の人、お酒に弱い人に注意を呼びかけています。原材料に「酒粕(酒かす)」と書かれている場合は、アルコール分を確認してください。
ひな祭りに白酒を飲むのはなぜ?桃花酒とのつながり
3月3日のひな祭りは「桃の節句」とも呼ばれます。昔は桃に邪気を払う力があると考えられ、桃の花を酒に浸した「桃花酒(とうかしゅ)」を飲み、一年の健康や長寿を願う風習がありました。
やがて江戸時代には、白酒がひな祭りの飲み物として親しまれるようになります。農林水産省は、桃花酒に桃の花がきれいに見える白酒を使うようになり、定着したという説明を紹介しています。
江戸東京博物館によると、江戸の酒屋「豊島屋」は、ひな祭りの白酒で人気を集めました。豊島屋本店の公式サイトにも、江戸時代の『江戸名所図会』に、ひな祭りを前に白酒を買い求める人々の姿が描かれていると記されています。
白酒を飲む風習は、こうした春の祝いと江戸の暮らしの中で広まってきたものです。
ひな祭りで飲むのは白酒?甘酒?
伝統的なひな祭りの飲み物として知られるのは白酒ですが、白酒を飲むことがひな祭りの決まりではありません。現在は家族の年齢や好みに合わせて選べます。
- 20歳以上の大人:白酒の伝統を楽しむことも、ノンアルコールの甘酒を選ぶこともできます。
- 子ども・20歳未満の人:白酒は飲めません。アルコール分0.0%と確認できる米こうじ甘酒や、ジュースなどを用意しましょう。
- 妊娠中・授乳中の人:アルコール飲料は避け、0.0%と表示された飲み物を選びましょう。
ひな祭りは子どもの健やかな成長を願う行事です。白酒の形にこだわらず、家族みんなが安心して口にできる飲み物で祝うのがよいでしょう。
子ども向けの甘酒を選ぶときは表示を確認する
買い物のときは、パッケージの「商品名」だけでなく、次の点を見て選ぶと分かりやすくなります。
- 原材料:米・米こうじが中心のものか、酒かすを使ったものかを確認します。
- アルコール分:子どもや妊娠中の人には、0.0%と明記された商品を選びます。
- 飲む量と保存方法:甘酒には糖分が含まれます。商品の表示にある飲み方や、開封後の保存方法に従いましょう。
国税庁は、20歳未満の飲酒が法律で禁止されていることを案内しています。また、食品安全委員会は、妊娠中から授乳が終わるまでアルコール飲料を避けるよう呼びかけています。
大切なのは、「白酒」と「甘酒」という名前だけで決めず、アルコールの有無を確かめることです。ひな祭りには、家族それぞれに合った飲み物を選んで、桃の節句を楽しみましょう。