大掃除はいつまでにする?年末に掃除するようになった由来
年末の大掃除には、全国共通の決まった締め切り日はありません。昔ながらの正月準備の流れに合わせるなら、12月28日ごろまでに主な掃除を終えるのが一つの目安です。正月飾りを付ける前に家を整え、年末は落ち着いて過ごせるようにします。大掃除が年末の習慣になったのは、新しい年の神さまを迎えるため、家の汚れを払い清めていた「煤払い(すすはらい)」の風習があるからです。
大掃除はいつまでに終わらせる?
大掃除の時期は、家庭の予定に合わせて決めて大丈夫です。ただし、正月飾りを出す家庭では、飾り付けの前に玄関や部屋をきれいにしておくという順番が昔ながらの考え方に合っています。
産泰神社は、お正月飾りを付けるのは12月13日以降、大掃除を済ませて家を清めてからがよいと案内しています。また、正月飾りには12月29日と31日を避ける習慣があります。そのため、12月28日ごろまでに大がかりな掃除を終えると、飾り付けや料理の準備にも余裕ができます。
これは大掃除を28日までに必ず終えなければならないという決まりではありません。12月30日に掃除をしたり、年末にどうしても終わらなかった場所を新年になってから片付けたりしても、日常生活に支障があるわけではありません。
12月29日や31日に大掃除をしてはいけないの?
年末の「縁起がよくない日」の話には、正月飾りの習わしと、掃除についての言い伝えが混ざっていることがあります。
- 12月29日:「二重苦」を連想させることから、正月飾りを出す日として避ける習慣があります。掃除そのものを全国一律に禁止する決まりではありません。
- 12月30日:年内に掃除を終える日として選んでもかまいません。正月飾りを30日に出す家庭では、飾る場所を先に整えておきましょう。
- 12月31日(大晦日):大がかりな掃除は避け、年神さまを迎える支度を済ませておくのがよいとする言い伝えがあります。掃除が必要になったときは、簡単な片付けや拭き掃除をしても差し支えありません。
12月31日の「一夜飾り」は、大晦日に初めて正月飾りを付けることを指します。掃除をしただけで一夜飾りになるわけではありません。縁起に関する日付は、昔からの考え方として受け止め、家族の都合に合わせて無理なく進めましょう。
なぜ日本では年末に大掃除をするようになったの?
年末に家を掃除する習わしは、正月を迎える前の「煤払い」と深く関わっています。
昔は、新しい年になると年神さま(としがみさま)が家を訪れ、一年の幸せや実りをもたらすと信じられていました。その神さまを迎えるために、一年の汚れを落として家を清めたのです。つまり、年末の掃除には、家をきれいにする実用的な目的だけでなく、新年を気持ちよく迎える意味がありました。
江戸時代には、囲炉裏やかまど、ろうそくなどの火を使う暮らしの中で、天井や壁に煤がたまりました。家族や奉公人が協力してその煤やほこりを払い落とすことが、年末の大仕事でした。
江戸の年中行事を記した『東都歳事記』には、江戸城の煤払いが12月13日に始まったという記述があります。江戸の武家や町人もこの日にならって煤払いをしたと伝えられています。こうした習わしが続き、現在の年末の大掃除につながりました。
大掃除は12月13日から始めなければならない?
12月13日は、正月の準備を始める「正月事始め(しょうがつことはじめ)」の日として知られています。神社本庁によると、このころに行う煤払いには、家を清めて年神さまを迎える準備を始める意味があります。
ただし、12月13日に家中を掃除し終える必要はありません。東京都神社庁は、この日に神棚や仏壇を整え、家の内外の掃除は後日に行うこともあったと説明しています。
現在の家庭では、12月13日を予定を立て始める目印にしても、忙しくなる前の11月や12月上旬から少しずつ掃除してもよいでしょう。伝統的な行事の日付と、実際に掃除する日は分けて考えられます。
年末までに無理なく大掃除を済ませるには?
大掃除を終える日を先に決め、掃除する場所を分けておくと、年末に慌てずにすみます。例えば次のような進め方です。
- 12月中旬まで:不要な物を整理し、窓や換気扇など、時間のかかる場所から取りかかります。出たごみは自治体の年内の収集日を確認して処分します。
- 12月下旬から28日ごろ:台所や浴室などの掃除を進め、正月飾りを出す玄関や神棚の周りを整えます。
- 年末の残りの日:普段使う場所の簡単な掃除や片付けをして、正月の料理や飾り付けの準備をします。
大掃除に使える日が少ないときは、場所を絞っても大丈夫です。高い所や重い物を動かす掃除を無理に詰め込むより、家族が安全に過ごせる範囲で進めることを優先しましょう。
元日に掃除してはいけないという言い伝えは本当?
お正月には「元日に掃除をすると、年神さまが運んできた福まで掃き出してしまう」という言い伝えがあります。これは、新しい年の幸せを願い、元日には家事を休んで過ごそうとした昔ながらの考え方です。
もちろん、元日にほうきや掃除機を使ったからといって、実際に幸せが逃げるわけではありません。食べこぼしを片付けるなど、必要な掃除まで我慢する必要はありません。
年末の大掃除は12月28日ごろまでを目安に、家庭の予定に合わせて進めましょう。大切なのは日付を厳密に守ることより、新しい年をすっきりした気持ちで迎えるために、無理のない準備をしておくことです。