とんかつの衣がはがれるのはなぜ?きれいに揚げるコツ
とんかつの衣がはがれるのを防ぐには、肉の水気を拭き、小麦粉・溶き卵・パン粉を順につけ、衣が固まるまで油の中で触らないことが大切です。肉の側面まで衣をつけ、揚げたあとも包丁で引き切らずに切ると、きれいな形を保ちやすくなります。
衣をつけたつもりでも、粉が付いていない部分や肉の反り返りがあると、揚げている途中ではがれてしまうことがあります。下準備から揚げ上がりまで、順番に見直してみましょう。
とんかつの衣がはがれる主な原因
- 肉に水分が多く残っている:粉が均一に付きにくくなり、衣の付き方にむらが出ます。
- 小麦粉や卵に付けむらがある:卵とパン粉が肉に密着しにくくなります。表面だけでなく側面も確認します。
- パン粉が十分に付いていない:特に端の部分にパン粉が付いていないと、そこから衣がはがれやすくなります。
- 揚げ始めに触りすぎている:固まる前の衣を箸で動かすと、こすれてはがれることがあります。
- 肉が大きく縮んでいる:赤身と脂身の境目の筋が残っていると肉が反り返り、衣との間にすき間ができやすくなります。
日本食肉消費総合センターは、肉の汁気を拭き、粉をむらなく付けることを基本として紹介しています。パン粉メーカーの中屋パン粉工場も、粉・卵・パン粉の付け方と、揚げすぎによる肉の縮みを衣はがれの要因として説明しています。
衣がはがれにくいとんかつの材料(2人分)
キッコーマンの「揚げたてがおいしい!基本のとんかつ」に沿った材料です。
- 豚ロース肉(とんかつ用):2枚
- 塩:適量
- こしょう:少々
- 小麦粉:1/4カップ
- 溶き卵:1/2個分
- パン粉:1/2カップ
- 揚げ油:適量
衣用に、粉とパン粉を入れるバットをそれぞれ用意し、溶き卵は肉をくぐらせやすい浅めの器に入れておきます。
衣をきれいにつける手順
1. 肉の水気を拭いて筋切りをする
豚肉の表面に出た水分をキッチンペーパーで軽く押さえます。赤身と脂身の境目にある筋には、包丁の先で数か所切り込みを入れましょう。筋切りをすると、加熱中の反り返りを抑えやすくなります。
塩とこしょうを両面に振ったら、衣をつける作業に進みます。生肉を水洗いすると周囲に水がはねやすいため、表面の水分は拭き取ってください。
2. 小麦粉を薄く、側面まで付ける
肉の両面と側面に小麦粉をむらなく付け、持ち上げて余分な粉を軽くはたき落とします。粉の付いていない部分が残らないようにしますが、分厚く粉を重ねる必要はありません。
小麦粉は肉と次の卵の層をつなぐ役割があります。キッコーマンも、側面まで均一に付けたあと、余分な粉を落とす方法を紹介しています。
3. 溶き卵を全体に行き渡らせる
小麦粉を付けた肉を溶き卵にくぐらせ、両面と側面に卵液を行き渡らせます。卵が付いていないところにはパン粉が付きにくいので、肉の端まで確認しましょう。
一部だけ卵液が厚くたまっている場合は、器の上で少し落としてから次に進みます。
4. パン粉をかぶせて軽く押さえる
バットに広げたパン粉の上に肉を置き、上からもパン粉をかぶせます。手のひらで全体を一度やさしく押さえて密着させ、裏返して側面にも付けましょう。表面の一部が見えていたら、そこにパン粉を補います。
キユーピー3分クッキングでは、衣をつけてから3分ほど休ませる手順も紹介しています。すぐ揚げない場合は、衣が崩れないよう平らに置き、長時間室温に放置しないでください。
衣をはがさずに揚げる方法
キッコーマンの基本レシピでは、揚げ油を170~180℃にして揚げます。2枚を一度に入れて油温が大きく下がる場合は、1枚ずつ揚げましょう。
- 油温を確認する。揚げ物用の温度計で170~180℃を確かめます。鍋やフライパンは揚げ物に対応したものを使用し、油量は取扱説明書に従います。
- 衣をつけた肉を静かに入れる。油がはねないよう、菜箸やトングを使ってそっと滑り込ませます。
- 最初の20~30秒は触らない。衣がまだやわらかいうちに動かすと、パン粉がはがれることがあります。
- 衣が固まってから返す。表面がカリッとして肉が油に浮くようになったら、衣を傷つけないように上下を返します。何度も裏返す必要はありません。
- 色と中心の火の通りを確認する。全体がきつね色になるまで揚げます。キッコーマンの目安は合計4~5分ですが、肉の厚さや火力によって変わるため、中心まで十分に加熱できたか確認します。
- 油を切る。揚がったら網を置いたバットなどに移し、衣にたまった油を落とします。重ねずに置くと蒸気も逃げやすくなります。
農林水産省は、油の温度が下がりすぎないよう、一度に入れる食材を油面の半分程度に抑えることを勧めています。油温が下がったときは次を入れる前に適温まで戻しましょう。
揚げ油を加熱している間は、その場を離れないでください。油が燃えた場合に水をかけるのは危険です。安全に火を止められない場合は無理に近づかず、避難して119番通報してください。
揚げた後、切るときにはがれる場合
揚げている間は問題なかったのに、包丁で切るとパン粉の衣だけが取れてしまうこともあります。
その場合は、包丁を前後に何度も動かすのではなく、刃全体を使って一気に押すように切る方法を試してみてください。キッコーマンは、幅約1.5cmを目安にザクッと切る方法を紹介しています。切れ味の悪い包丁で押しつぶさないことも大切です。
豚肉の中心まで十分に火を通す
衣がこんがり色づいていても、豚肉の中心まで加熱できているとは限りません。厚生労働省は、豚肉を中心まで十分に加熱するよう案内し、中心温度75℃で1分間以上を加熱の目安の一つとして示しています。
食品用温度計があれば、肉の最も厚い部分の中心を測ってください。温度が足りない場合は追加で加熱します。衣を守るために加熱を早く止めるのではなく、安全に火を通すことを優先しましょう。
生肉に触れた箸やトングと、揚げ終えたとんかつを盛りつける道具は分けて使います。