ひな人形はどこに飾る?向いている場所と避けたい場所

季節・年中行事
ソボチエ編集部

ひな人形を飾るなら、家族が見やすいリビングや和室の、直射日光や暖房の風が当たらない安定した場所がおすすめです。昔ながらの床の間がなくても問題ありません。場所や方角に全国共通の決まりはなく、湿気の少なさ、飾り台の安定性、子どもやペットの安全を優先して選びましょう。

おすすめは家族が集まるリビングや和室

ひな人形は、子どもの健やかな成長や幸せを願って飾るものです。昔ながらの日本家屋では、和室の床の間や座敷などが飾る場所として親しまれてきました。人形工房ひととえも、床の間がない現代の住まいでは、家族が集まるリビングをすすめています。

洋室の棚やサイドボード、しっかりしたテーブルの上でもかまいません。毎日家族の目に入り、一緒にひな祭りを楽しめる場所なら、和室にこだわる必要はないのです。

コンパクトな親王飾りやケース飾りなら棚の上にも置きやすく、三段・七段などの大きな飾りは、床に十分な広さを確保できる部屋が向いています。飾りの大きさに合わせて部屋を選びましょう。

玄関・寝室・子ども部屋に飾ってもいい?

玄関にひな人形を置いてはいけないという、全国共通の決まりはありません。ひととえや人形屋ホンポは、飾り棚がある玄関も候補に挙げています。ただし、玄関は人が出入りし、濡れた傘や靴で湿気がこもりやすい場所です。出入りを妨げず、雨や湿気の影響が少ない棚がある場合に選びましょう。

寝室や子ども部屋に飾ることもできます。布団のほこりがたまりやすい寝室なら、柔らかいはたきでこまめに手入れします。小さな子どもの部屋では、人形や小道具に手が届かない場所を選び、遊ぶときにぶつからないようにしてください。

キッチンカウンターを使う場合は、水や油がはねる場所を避けます。どの部屋でも、飾りを安心して見られるかどうかが大切です。

避けたいのは直射日光・暖房の風・湿気の多い場所

ひな人形は、顔や髪、衣裳、木製の道具など、傷みやすい素材を組み合わせて作られています。日本人形協会や吉徳は、飾る場所を選ぶ際に、日光・湿気・乾燥に注意するよう案内しています。

  • 直射日光が当たる窓辺や出窓:衣裳や人形の顔が変色・退色する原因になります。朝は日陰でも午後に日が差し込む場所には注意しましょう。
  • エアコンの風が直接当たる場所やストーブの近く:乾燥しすぎると顔の表面にひびや剥がれが生じることがあります。暖房器具から離して置きます。
  • 結露する窓際や加湿器のそば:湿気はカビやシミの原因です。結露しやすい壁際や水回りにも注意します。
  • 人が頻繁に通る狭い場所:袖やかばんが飾りに引っ掛かり、転倒や破損につながるおそれがあります。

日当たりのよいリビングでも、窓から少し離す、カーテンで日差しを遮るなどの工夫をすれば飾れる場合があります。ケース入りでも直射日光による色あせを完全に防げるとは限りません。

北向きは縁起が悪い?飾る方角の決まり

ひな人形を東向きや南向きにするとよい、北向きは避けたほうがよい、と聞くことがあります。しかし、飾る方角に厳密な決まりはありません。

人形工房ひととえは、東向きや南向きを好むのは、日の出や明るさに縁起のよい意味を重ねる考え方によるものだと説明しています。一方で、現在は方角よりも、家族が見やすく、直射日光や湿気を避けられる場所を優先するようすすめています。

北向きの棚しかなくても、それだけで縁起が悪くなると心配する必要はありません。東や南に向けた結果、日差しが直接当たってしまうなら、方角を変えて人形を守るほうがよいでしょう。

飾る前に台の広さと安定性を確認する

ひな人形を置く場所が決まったら、実際に飾れるかを測ってみましょう。吉徳は、人形を選ぶ際に横幅・奥行きに加えて、段飾りでは天井までの高さも確認するよう案内しています。

  1. 横幅と奥行きを測る:飾り台だけでなく、屏風や雪洞(ぼんぼり)、花飾りなどを並べるスペースも確保します。
  2. 台が安定しているか確認する:ぐらつく棚や狭すぎる台は避け、飾りの重さに耐えられる台を使います。
  3. 周囲に余裕を作る:ドアの開閉や人の通行、掃除の動作で人形にぶつからない位置を選びます。
  4. 子どもやペットの手が届かないか見る:小さな道具を口に入れたり、ひな壇を引っ張ったりしないようにします。

人形工房ひととえや人形屋ホンポも、小さな子どもやペットがいる家庭では、手の届かない安定した場所を選ぶよう案内しています。ケース飾りでも、台ごと倒れないよう置き場所に気を配りましょう。

飾ったあとも日差しとほこりをチェックする

飾り付けたら終わりではなく、数日間は日の当たり方や暖房の風が変わらないか確認しましょう。朝に日が当たらない場所でも、午後になると強い日差しが届くことがあります。

ひな人形にほこりがたまったら、柔らかい羽根ばたきなどで軽く払います。吉徳は、人形の顔や手、金具にはできるだけ素手で触れないよう注意しています。指の油分が汚れやさびの原因になるためです。

床の間、リビング、玄関など、どこに飾る場合も大切なのは、家族が気持ちよく眺められ、人形を傷めず安全に楽しめることです。

参考資料