ひな人形はいつ片付ける?遅れると結婚が遅くなるって本当?
ひな人形は、3月3日のひな祭りが終わったあと、3月中旬ごろまでを目安に、天気がよく空気の乾いた日に片付けるのがおすすめです。3月4日に必ずしまう決まりはありません。また、「片付けが遅れると結婚が遅くなる」という話に根拠はないので、急いで雨の日に収納するより、人形を傷めない日を選びましょう。
ひな人形を片付けるのは3月4日から中旬ごろが目安
ひな祭りは3月3日の桃の節句です。人形の久月は、節句が済んだら早めに、遅くとも3月中旬までの天気がよく乾燥した日に片付けることをすすめています。
吉徳も、節句が終わったらできるだけ早くしまう習わしがある一方、「何が何でも3月4日」という決まりではないと説明しています。日付よりも、湿気の少ない日に丁寧に片付けることが大切です。
片付け時期の候補として、3月5日ごろの「啓蟄(けいちつ)」を聞くこともあります。啓蟄は春の節目を表す二十四節気の一つで、三越伊勢丹でも片付けの目安として紹介されています。ただし、この日に必ずしまう必要はありません。
「片付けが遅いと結婚が遅れる」は本当?
ひな人形をしまう日と、その子の結婚する時期に関係があるという根拠はありません。久月の公式サイトでも、「しまうのが遅れるとお嫁に行くのが遅れる」という話を根拠のないものと説明しています。
この言い伝えは、昔のしつけと結び付けて説明されることがあります。吉徳によると、節句が終わっても飾りを出しっぱなしにしないよう、後片付けを促す意味があったと考えられています。
また、昔は女性が結婚することを「片付く」と呼ぶ言い方があり、人形を片付けることと言葉を重ねたという説も紹介されています。こうした由来には諸説あり、特定の一つが確定しているわけではありません。
今は人形を飾る目的も、家族の暮らし方もそれぞれです。片付けが数日遅れたからといって、本人の将来に影響するものではありません。
雨の日より晴れて乾燥した日がよい理由
ひな人形には、布の衣裳、髪、木や紙の部品、金具など、さまざまな材料が使われています。湿気を含んだまま箱にしまうと、カビやシミ、虫食い、金具の傷みなどの原因になることがあります。
吉徳や京都の安藤人形店は、空気の乾いた日にほこりを払ってから収納することをすすめています。3月4日が雨なら、その日に無理に片付けず、次の晴れた日を待ってよいでしょう。
ただし、乾かそうとして直射日光に長く当てるのは避けます。衣裳の色あせなどにつながるため、湿気を飛ばすときは風通しのよい日陰で扱いましょう。
ひな人形を傷めずに片付ける5つの手順
段飾りや親王飾りなど、取り外せる人形をしまうときは、次の順に進めると迷いにくくなります。
- しまう前に写真を撮る:人形と道具の並び方、元の箱の中の配置を記録します。翌年に飾るときにも役立ちます。
- ほこりを優しく払う:羽根ばたきや柔らかい筆を使い、衣裳や細かい部分のほこりを落とします。顔を強くこすったり、水拭きしたりしません。
- 小道具を外して分ける:扇や刀、冠の飾りなど、外せる付属品をなくさないようにしまいます。取り外し方は付属の説明書に従ってください。
- 人形を薄紙などで包む:顔や髪を柔らかい白い紙で保護し、人形を一体ずつふんわり包みます。形が崩れないよう、きつく巻かないことが大切です。
- 元の箱へ戻す:人形や道具がぶつからないよう、仕切りや緩衝材を使って収納します。購入時の箱を利用すると収まりやすくなります。
人形の顔や手、金具には、できるだけ素手で直接触れないようにします。指の油分が汚れやさびの原因になるため、薄手の手袋やきれいな紙を使って扱いましょう。ケース入りで固定された人形は、無理に分解せず、その商品の説明書に合わせて片付けます。
しまう場所と防虫剤にも注意する
収納場所は、湿気が少なく、直射日光や大きな温度変化を避けられる場所が適しています。吉徳は、押し入れの上段や天袋などを例に挙げています。窓や水回りの近く、結露しやすい壁際は避けるとよいでしょう。
防虫剤を使う場合は、人形用として販売されているものを選び、製品に書かれた量や使い方を守ります。吉徳は、衣類用の防虫剤ではなく人形用を一種類だけ使うことをすすめています。人形の衣裳や金具、樹脂の部品に直接触れないようにしてください。
しまうときにカビや目立つ汚れを見つけたら、強い洗剤などで無理に落とさず、購入した人形店や修理の専門店に相談しましょう。
3月中旬を過ぎたら?旧暦で飾る地域もある
3月中旬を過ぎてしまっても、結婚のことを心配して慌てる必要はありません。天気や家族の予定を見て、湿気の少ない日に片付けましょう。
地域によっては、旧暦の3月3日や、月遅れのひな祭りに合わせて人形を飾ります。大阪府柏原市の文化財課も、旧暦でひな祭りを行う地域が今もあると紹介しています。旧暦の3月3日は新暦の毎年同じ日ではなく、おおむね4月ごろになります。
家族や地域で受け継いできた日取りがあれば、それに合わせてもかまいません。3月3日を過ぎて最初の乾いた日を目安に、来年も気持ちよく飾れるよう丁寧にしまうことを大切にしましょう。