入梅とはいつ?梅雨入りとの違いをわかりやすく解説

季節・年中行事
ソボチエ編集部

入梅(にゅうばい)は、暦の上で梅雨の季節に入るころを表す日で、毎年6月11日ごろに当たります。2026年と2027年の入梅は、どちらも6月11日です。一方、天気予報で聞く「梅雨入り」は、実際に雨や曇りの日が増える時期を気象庁が地方ごとに判断したものです。入梅は太陽の位置で決まる暦の日、梅雨入りは天候の変化を示す時期という違いがあります。

入梅はいつ?年によって6月10日・11日などになる

国立天文台の暦要項に記された近年の入梅は、次のとおりです。

  • 2024年:6月10日
  • 2025年:6月11日
  • 2026年:6月11日
  • 2027年:6月11日

このように6月11日になる年が多くても、毎年必ず同じ日とは限りません。カレンダーにある入梅の日付は、雨が降り始めると予想した日ではなく、暦の決まりに従って計算した日付です。

入梅は「雑節(ざっせつ)」という季節の目印の一つです。雑節には、節分、彼岸、八十八夜などもあります。季節を24に分けた「二十四節気」とは別に、暮らしや農作業で季節の変化を知るために使われてきました。

入梅の日は太陽が「黄経80度」になるとき

現在の入梅は、地球から見た太陽の位置をもとに決めます。太陽が一年かけて通る見かけの道を一周360度で表したとき、その位置を示す「太陽黄経(たいようこうけい)」が80度になる日です。

二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」が太陽黄経75度、「夏至(げし)」が90度なので、入梅はちょうどその間にあります。2026年なら、芒種が6月6日、入梅が6月11日、夏至が6月21日です。夏至より約10日前、夏へ向かう季節の節目に位置しています。

太陽が決まった位置に達する日時は年によって少しずつ動くため、入梅の日付も前後します。ただし、同じ年の入梅は日本全国で共通の暦の日です。地域ごとの雨の降り方で変えるものではありません。

入梅と梅雨入りはどう違う?

言葉はよく似ていますが、何を目安にしているかが異なります。

  • 入梅:国立天文台の暦に載る季節の目印。現在は太陽黄経80度に達する日で、日本全国で同じ日付です。
  • 梅雨入り:雨や曇りの日が増え、日照時間が少なくなる時期。気象庁が天候の経過や今後の見通しをもとに、沖縄、九州、関東甲信など地方ごとに発表します。

たとえば、暦の入梅の日に晴れていても、暦の入梅が間違いということにはなりません。反対に、入梅より前から梅雨入りしている地方もあります。

なお、日常の言葉として「入梅」を梅雨入りと同じ意味で使うこともありますが、気象庁の用語では「入梅」ではなく「梅雨入り」を使います。カレンダーの入梅を見ているのか、気象庁の発表を見ているのかを区別すると混乱しません。

実際の梅雨入りと入梅が違った年の例

気象庁の中国地方(山口県を除く)の梅雨入り確定値と、同じ年の暦の入梅を比べてみましょう。

  • 2024年:暦の入梅は6月10日。中国地方の梅雨入りは6月20日頃で、暦の日付より10日ほど後でした。
  • 2025年:暦の入梅は6月11日。中国地方の梅雨入りは5月16日頃で、暦の日付より26日ほど前でした。

このように、同じ地域でも年によって梅雨入りの時期は変わります。入梅が6月11日でも、雨の季節がすでに始まっている年も、まだ始まっていない年もあるのです。

また、気象庁の梅雨入りは数日程度の移り変わりを経て訪れるため「○日頃」と発表されます。日付は速報のあとで見直され、確定することもあります。

昔の入梅は今と違う方法で決めていた

入梅の考え方は昔の暦にもあります。国立天文台によると、入梅が暦に統一的に載るようになったのは、江戸時代の貞享3年(1686年)の暦以降です。

当時は、芒種に入ってから最初に来る「壬(みずのえ)の日」を入梅とする方法が使われていました。壬は、日付を表すために用いた十干(じっかん)という10種類の呼び名の一つです。

その後、明治9年(1876年)の暦から、太陽黄経80度で決める今の方法に変わりました。雨が多くなる季節を知らせたいという昔からの役割は受け継ぎながら、日にちの決め方は変化してきたのです。

梅雨の時期を知りたいときは何を確認する?

暦に記された入梅の日付は、国立天文台の「暦要項」で確かめられます。一方、実際に自分の住む地域が梅雨に入ったか知りたい場合は、気象庁の「梅雨の時期に関する気象情報」を確認します。

洗濯や外出などの予定を考えるなら、暦の入梅だけで雨を予想せず、その地域の天気予報を見ることが役立ちます。入梅は季節を感じるための暦の目印、梅雨入りはその年の空模様を表す情報として使い分けましょう。

参考資料