梅雨入りとはどうやって決まる?梅雨明けとの違い

季節・年中行事
ソボチエ編集部

梅雨入りは雨や曇りの日が増え、日差しの少ない季節へ移る時期のことです。反対に、梅雨明けは雨や曇りが減り、晴れの日が増える時期を指します。気象庁は、雨が何日降ったかだけで決めるのではなく、これまでの天候と今後の天気予報を合わせて判断し、地方ごとに「○月○日頃」と発表します。最初の発表は速報なので、あとから日付が変わることもあります。

梅雨入りは雨の量だけで決めるわけではない

気象庁は梅雨を、春の終わりから夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間としています。「雨が3日続いたら梅雨入り」「降水量が何ミリを超えたら梅雨入り」といった、一律の数字だけで決まるものではありません。

梅雨入りの判断で中心になるのは、日照時間が減り、雨や曇りの多い天候へ変わっていくかという点です。気象庁本庁と各地方を担当する気象台が、それまでの天気の変化に加え、おおむね1週間、場合によってはさらに先までの天気の見通しを確認します。

日照時間だけでは分かりにくい場合は、雨の降り方のほか、高気圧の張り出し方や上空の風の流れなども参考にします。たとえば、雨が1日降って翌日から晴天が続きそうなら、その雨だけを理由に梅雨入りとは判断しません。天気が季節として変わり始めているかを確かめるのです。

梅雨明けは晴れや日差しが増える時期

梅雨明けは、梅雨入りとは反対の変化を見て判断します。それまで雨や曇りが多かった状態から、晴れる日が増え、日照時間も長くなる時期です。

判断のしかたは梅雨入りと同じで、過去の天候と今後の見通しを総合します。太平洋高気圧が張り出し、夏らしい晴れの天気が続きそうかどうかも参考になります。雨がやんだその日が、必ず梅雨明けになるわけではありません。

梅雨入りと梅雨明けを比べると、梅雨入りは「雨や曇りが増える季節への移り変わり」、梅雨明けは「晴れが増える夏への移り変わり」です。どちらも一日だけの天気ではなく、しばらく続く天候の変化を見ている点が共通しています。

「○月○日頃」と発表するのはなぜ?

ニュースでは「関東甲信地方は6月○日頃に梅雨入りしたとみられます」のように、「頃」という言い方をします。これは、梅雨入りや梅雨明けを一日単位ではっきり区切ることが難しいためです。

気象庁によると、梅雨入りと梅雨明けには平均して5日間程度の移り変わりの期間があります。発表する「○日頃」は、その期間のおおむね真ん中の日を表しています。したがって、その日から急に毎日雨が降ったり、雨が完全にやんだりするという意味ではありません。

梅雨の途中にも晴れの日が続く「梅雨の中休み」があり、梅雨明けのあとにも雨が降ることはあります。日々の天気は、その日の天気予報で確かめましょう。

最初の速報と、あとから発表する確定値は違う

気象庁が梅雨入り・梅雨明けの時期に発表する情報は、今後の天候の予想も使った「速報値」です。この段階では、梅雨の始まりや終わりを予報として見積もっています。

その後、実際に雨や曇りの日がどのように続いたかを調べ直し、気象庁はその年の梅雨入り・梅雨明けを「確定値」として9月初めに公表します。速報のあとに予想とは違う天候が続いた場合は、確定値の日付が変わることがあります。

また、雨や曇りから晴天へ切り替わる時期がはっきりしない年は、梅雨入りや梅雨明けの時期を特定できない場合もあります。たとえば1993年には、東北から九州の広い範囲で梅雨明けを特定できませんでした。梅雨明けの日付が発表されないことと、夏が来なかったことは別です。

梅雨前線が見えなくても梅雨入りすることはある

梅雨の時期の天気図には、東西に長く延びる「梅雨前線」と呼ばれる前線が現れることがよくあります。梅雨前線は、性質の異なる空気の境目で、付近では雲が広がったり雨が降ったりしやすくなります。

ただし、前線が天気図に描かれているかどうかだけでは梅雨入り・梅雨明けは決まりません。気象庁は、梅雨前線以外が原因の雨であっても、雨や曇りが多い天候が続く場合には梅雨として扱います。

梅雨前線の位置が動いたり、いったん弱まったりしても、季節全体として梅雨の天気が続いていることがあります。天気図の前線一本で判断しないのはこのためです。

地域によって梅雨入り・梅雨明けの日が違うのはなぜ?

梅雨前線や太平洋高気圧の位置は季節とともに変わります。そのため、梅雨入りは一般に5月から6月ごろに沖縄・奄美から始まり、九州や本州へ、さらに東北へと移っていきます。梅雨明けも多くの年は沖縄・奄美から順に進みます。

気象庁は、梅雨を全国一律ではなく12の地方に分けて発表しています。たとえば山口県は「九州北部地方」に含まれ、中国地方の発表は山口県を除いた地域が対象です。県や市によって雨の降り方が多少違っても、梅雨入り・梅雨明けはこうした広い地方単位で判断します。

北海道でも雨や曇りの多い時期はありますが、年による違いが大きいため、気象庁は北海道の梅雨入り・梅雨明けを発表していません。

梅雨入りと梅雨明けは、どちらも季節の天気が変わるころを知らせる目安です。発表を見たら「○日頃」という幅のある情報として受け取り、実際の雨や晴れの予報も合わせて確認しましょう。

参考資料