土用とはいつ?夏以外にも土用があるって本当?
土用(どよう)は、夏だけでなく春・秋・冬にもある、季節の変わり目を示す期間です。立春・立夏・立秋・立冬の直前にそれぞれ約18日間あり、年に4回めぐってきます。夏の「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣が有名ですが、土用そのものは特定の一日ではありません。
土用は春夏秋冬に4回ある
土用は、暦の上で新しい季節が始まる少し前の期間です。次の四つに分かれます。
- 冬の土用:立春の直前。1月17日ごろから2月初めまで。
- 春の土用:立夏の直前。4月17日ごろから5月初めまで。
- 夏の土用:立秋の直前。7月19~20日ごろから8月初めまで。
- 秋の土用:立冬の直前。10月20日ごろから11月初めまで。
「立春」は暦の上で春が始まる日、「立夏」は夏が始まる日です。同じように立秋は秋、立冬は冬の始まりを表します。土用は、これらの日の前に置かれた季節の区切りです。
例えば、国立天文台の2026年の暦要項に基づく土用の期間は次のとおりです。
- 冬:1月17日~2月3日
- 春:4月17日~5月4日
- 夏:7月20日~8月6日
- 秋:10月20日~11月6日
年によって開始日や終了日が少し変わるため、特定の年の日付を知りたいときは、その年の暦を確認します。
土用はいつからいつまで?日付の決め方
土用の最初の日を「土用の入り」と呼び、次の立春・立夏・立秋・立冬の前日までが土用の期間です。例えば、2026年の夏は7月20日が土用の入り、8月7日が立秋なので、その前日の8月6日までが夏の土用になります。
国立天文台は、現在の土用の入りを、地球から見た太陽の位置を基準に定めています。春・夏・秋・冬でそれぞれ決まった位置に太陽が達する日が、土用の入りです。そのため、土用は必ず毎年同じ日付になるわけではありません。
期間も正確に18日間と決まっているわけではなく、国立天文台によると17日、18日、19日となる場合があります。カレンダーに「土用」と一日だけ書かれているときは、期間全体ではなく土用の入りを示していることが多いのです。
なぜ土用が年4回あるの?「土」という名前の由来
土用という考え方は、古代中国の「五行説(ごぎょうせつ)」に由来します。五行説では、自然の働きを「木・火・土・金・水」の五つに分け、それぞれを季節などにも当てはめました。
季節については、春を「木」、夏を「火」、秋を「金」、冬を「水」に対応させました。ところが、これでは「土」が余ってしまいます。そこで、四つの季節の終わりにそれぞれ「土」の期間を設けました。これが土用です。
国立天文台の解説では、一つの季節を約90日と考え、その5分の1に当たる約18日を土用に振り分けたと説明しています。土用が年4回あり、一回が約18日間とされるのは、この考え方からです。
つまり、名前に「土」が入っているのは、土曜日に関係するからではなく、五行説の「土」に由来するためです。
なぜ夏の土用だけが有名なの?
夏の土用がよく知られているのは、暑い季節を元気に過ごせるよう願い、「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣が広まったためです。
農林水産省も、年に4回ある土用のうち夏の土用が最も有名になった理由として、夏バテを防ぐ願いを込めてうなぎを食べる習慣が定着したことを挙げています。
ただし、夏の土用だけが正式な土用というわけではありません。春の土用も秋の土用も冬の土用も、暦に載っている同じ土用です。
土用と「土用の丑の日」は何が違う?
土用は約18日間の「期間」で、土用の丑の日はその期間中にある特定の「日」です。
昔の暦では、年だけでなく一日一日にも「子・丑・寅」などの十二支が順番に割り当てられていました。十二支は12日で一巡するため、約18日間ある土用には「丑の日」が1回か2回含まれます。
このしくみは夏だけでなく、春・秋・冬の土用にも当てはまります。うなぎを食べる行事として特に知られているのが、夏の土用の丑の日です。
土用には土いじりを控えるという風習もある
土用には、土を掘ったり工事を始めたりすることを避けるという昔ながらの言い伝えもあります。
市原歴史博物館によると、陰陽道では土用の期間を、土をつかさどる神様「土公神(どくじん)」が支配する時期と考え、土を動かす作業を慎んだとされています。ただし、「間日(まび)」と呼ばれる一部の日には、作業をしてもよいとする習わしもありました。
これは暦や信仰に由来する風習です。日常の庭仕事などを必ず休まなければならないという決まりではありません。伝統的な考え方として知っておくと、「土用」という言葉が暮らしとどう結びついてきたかが分かります。