春分の日とはどんな日?昼と夜の長さは本当に同じ?

季節・年中行事
ソボチエ編集部

春分の日は、3月20日ごろにある国民の祝日です。太陽の位置で決まる春の節目で、昼と夜の長さがほぼ同じになる日として知られています。ただし、日の出から日の入りまでを「昼」とすると、実際には昼のほうが少し長くなります。祝日の意味と、昼夜の長さに差が生まれる理由を見ていきましょう。

春分の日は自然と生き物を大切にする祝日

春分の日は、法律で「自然をたたえ、生物をいつくしむ」と定められた祝日です。昭和23年(1948年)に「国民の祝日に関する法律」が制定されたときから、国民の祝日の一つになっています。

冬の間に眠っていた草木が芽吹き、春の訪れを感じるころに当たります。身近な花や木を眺めたり、季節の変化に目を向けたりすることも、この祝日の意味に合った過ごし方です。

祝日としての「春分の日」は一日を指しますが、「春分」はもともと、季節を24の目印に分ける「二十四節気(にじゅうしせっき)」の一つです。

春分は太陽の位置で決まる

春分は、地球から見た太陽が「春分点」と呼ばれる位置を通る瞬間のことです。太陽が空を移動する道筋をもとに、その位置を「太陽黄経0度」として表します。

地球は少し傾いた姿勢で太陽の周りを回っています。この傾きによって季節ごとに日光の当たり方が変わり、昼の長さも変化します。春分は、空に延ばした地球の赤道の線を、太陽が南側から北側へ横切る節目です。

このころ、太陽はほぼ真東から昇り、ほぼ真西に沈みます。冬至を過ぎて少しずつ長くなってきた昼は、春分のころに12時間ほどになり、その後も夏至に向けて長くなっていきます。

昼と夜は本当に同じ長さではない

春分の日は「昼と夜が半分ずつ」と説明されることがありますが、日の出から日の入りまでを昼とした場合、ぴったり12時間にはなりません。

国立天文台暦計算室の計算では、2026年3月20日の東京の日の出は午前5時45分、日の入りは午後5時52分です。差を取ると、昼は12時間7分。昼が12時間より7分長いことになります。

同じ表を見ると、3月17日は日の出が午前5時50分、日の入りが午後5時50分で、分単位では昼が12時間です。つまり東京のこの年の例では、昼の長さがほぼ12時間になる日は春分の日より前にあります。日の出・日の入りの時刻は地域によって異なるため、日にちや分数も場所によって変わります。

昼が少し長くなる理由は2つ

国立天文台は、春分の日に昼が夜より少し長くなる主な理由を二つ挙げています。

一つ目は、日の出と日の入りを決める基準です。日の出は太陽の上の端が地平線から見え始めたとき、日の入りは太陽の上の端が地平線に隠れるときと決められています。太陽の中心が地平線を通る時刻よりも日の出は早く、日の入りは遅くなるので、その分だけ昼が長く数えられます。

二つ目は、地球の空気の働きです。太陽の光は大気を通るときに曲がるため、地平線近くの太陽は実際の位置より少し高く見えます。このため、太陽が地平線の下にあるときでも、その光が届きます。日の出はさらに早く、日の入りはさらに遅く見えるのです。

この二つが重なるので、春分の日の昼と夜は完全には同じ長さになりません。「ほぼ同じ」という表現が正確です。

春分の日の日付はなぜ毎年変わる?

春分の日は「3月20日」と固定されているわけではありません。実際に、2026年は3月20日、2027年は3月21日です。日本では春分の瞬間を含む日が、その年の春分の日になります。

日付が動くのは、地球が太陽の周りを一周する時間が365日ちょうどではなく、約365日と6時間だからです。カレンダーの1年とのずれが少しずつたまり、うるう年の調整も加わるため、春分になる時刻や日付が変わります。

法律には具体的な月日を決めず「春分日」と書かれています。国立天文台が毎年2月に翌年の「暦要項(れきようこう)」を発表し、そこで祝日の日付が確定します。

春分は「春の始まり」?お彼岸との関係は?

昔からの暦で春の始まりに当たるのは、2月上旬の「立春」です。春分は、そのあとに訪れる春の途中の節目です。一方、天文学では春分から夏至までを春とする区分もあります。「春の始まり」は、季節をどの方法で区切るかによって異なるのです。

また、春分の日は春のお彼岸の真ん中の日「中日(ちゅうにち)」でもあります。春のお彼岸は春分の日の前後3日ずつを合わせた7日間で、お墓参りやお寺の法要などが行われます。春分の日は祝日ですが、お彼岸の7日間すべてが祝日になるわけではありません。

春分の日は、太陽の動きをもとに決まる季節の目印であり、自然や生き物に目を向ける祝日です。昼と夜は同じ長さに近づきますが、実際の昼は少し長いと覚えておくと分かりやすいでしょう。

参考資料