七夕飾りにはどんな意味がある?代表的な飾りを解説

季節・年中行事
ソボチエ編集部

七夕飾りには、学問や習い事の上達、家族の健康、豊作、商売繁盛など、さまざまな願いが込められています。願い事を書く短冊だけでなく、吹き流し、折り鶴、紙の着物、網の形の飾りにも、それぞれ意味があります。代表例として知られるのが、宮城県の仙台七夕に伝わる「七つ飾り」です。

七夕飾りにはどんな願いが込められている?

七夕のもとになった行事の一つは、中国から伝わった「乞巧奠(きっこうでん)」です。機織りが上手な織姫にあやかり、裁縫や機織りなどの腕が上がるよう、星に願う行事でした。

日本では、その願いが学問や書道の上達にも広がりました。やがて、家族が元気で暮らせることや、作物がよく実ることなど、毎日の生活に関わる願いも飾りに託されるようになりました。

仙台七夕まつりの公式サイトや宮城県の案内では、七つの代表的な飾りが紹介されています。七つ飾りは仙台に受け継がれた組み合わせで、七夕の飾りが全国どこでも七種類に決まっているわけではありません。

短冊・吹き流し・紙衣は上達を願う飾り

まずは、七夕の始まりと関係が深い、学問や手仕事の上達を願う飾りです。

  • 短冊(たんざく):細長い紙に願いや言葉を書いたものです。もともとは和歌などを書き、学問や書道が上達するよう願いました。現在は将来の夢や家族への願いなども書かれています。
  • 吹き流し(ふきながし):細長い紙が何本も垂れ下がった飾りです。織姫の織り糸を表し、機織りや手芸が上手になるように願います。仙台七夕では、長い吹き流しが大きな見どころになっています。
  • 紙衣(かみごろも):紙で作った小さな着物です。裁縫の上達を願うとともに、病気や災いを身代わりに引き受けてもらい、子どもが無事に育つよう願う意味もあります。

短冊に願いを書く習慣は今も身近ですが、紙衣や吹き流しにも「もっと上手になりたい」という思いが込められているのです。

折り鶴・巾着・投網・屑籠は暮らしを願う飾り

残る四つには、家族の健康や食べ物、お金、物を大切にする気持ちが表されています。

  • 折り鶴(おりづる):家族の安全と長生きを願います。仙台では、昔は家族の中で最も年上の人の年齢と同じ数だけ鶴を折り、長寿を願ったと伝えられています。
  • 巾着(きんちゃく):小さな財布の形をした飾りです。商売繁盛やお金に困らず暮らせることを願い、無駄遣いをせず貯蓄する心も表します。
  • 投網(とあみ):魚を捕る網の形を紙で表したものです。たくさん魚が獲れることや、作物がよく実ることを願います。幸運を集めるという意味も込められています。
  • 屑籠(くずかご):紙で作った小さな籠です。飾りを作るときに出た紙くずなどを入れ、物を粗末にせず、清潔で倹約を心がけることを表しています。

大切なのは、飾りの形と願いが結びついていることです。たとえば網には豊漁、財布には商売繁盛というように、暮らしの中で見慣れた物を通して願いを表してきました。

七夕飾りを笹竹に飾るようになったのはいつ?

昔から現在と同じように紙の短冊を笹に結んでいたわけではありません。中国から伝わった七夕の行事では、裁縫や機織りの上達が願われ、日本でも以前は梶(かじ)の葉に歌や文字を書く習わしがありました。

日本玩具博物館によると、紙の短冊に詩や文字を書いて笹竹につるす風習は、江戸時代後期には庶民の暮らしにも広まっていました。仙台七夕まつりの歴史資料にも、五色の短冊やうちわ、扇などを笹竹に結びつけて飾った様子が記されています。

現在のような笹飾りは、七夕に願いを託す気持ちが、身近な紙細工と結びついて発展したものです。

仙台の大きなくす玉も七つ飾りの一つ?

仙台七夕の華やかな飾りには、花のような丸い「くす玉」と、その下に長く垂れ下がる吹き流しがよく見られます。ただし、くす玉は伝統的な七つ飾りには数えられません。七つ飾りの一つは、織姫の織り糸を表す吹き流しです。

仙台七夕まつりの公式案内では、現在のようなくす玉は、昭和21年(1946年)ごろにダリアの花からヒントを得て作られたという説が紹介されています。七夕飾りは古い願いを受け継ぎながら、見た目や作り方も変わってきました。

家で飾るなら七つ全部そろえる必要がある?

家庭で七夕飾りを楽しむときは、七つ全部をそろえる必要はありません。仙台の七つ飾りは、地域に伝わる代表的な形です。自分や家族の願いに合わせて、作りたい飾りを選べます。

たとえば、勉強を頑張りたい人は短冊に目標を書き、家族の健康を願うなら折り鶴を作ると、飾りの意味も身近になります。紙を細く切って吹き流しを作ったり、紙で小さな巾着を折ったりするのも一つの方法です。

笹竹に飾りをつけるときは、それぞれの願いを話しながら選んでみましょう。色とりどりの飾りは、見た目の楽しさだけでなく、人々が大切にしてきた思いも伝えてくれます。

参考資料