おせちの紅白かまぼこにはどんな意味がある?

季節・年中行事
ソボチエ編集部

おせちの紅白かまぼこは、新しい年の喜びと、清らかな気持ちで一年を迎える願いを表す料理です。紅色にはおめでたさや魔除け、白色には神聖さという意味が込められています。また、板付きかまぼこの半円形は「日の出」に見立てられ、新年の始まりを祝う縁起物になっています。

紅色と白色にはどんな意味がある?

紅白は、日本でお祝いの場によく使われる色の組み合わせです。農林水産省は、おせちの紅白かまぼこについて、二つの色に次のような意味があると説明しています。

  • 紅色:おめでたさや喜びを表す色です。災いを遠ざける「魔除け」の意味も重ねられています。
  • 白色:神聖で清らかなことを表す色です。新しい年をすがすがしい気持ちで迎える願いにつながります。

紅白かまぼこの紅色は、実際には淡い桃色に見えることもあります。色の濃さよりも、お祝いの色を組み合わせることに意味があります。魔除けというのは昔から伝わる縁起の考え方で、食べるだけで災いを防げるという意味ではありません。

半円形のかまぼこが「日の出」を表す理由

おせちによく使われる板付きかまぼこは、上の部分が丸く盛り上がった半円形です。切って横から見ると、海や山の向こうから太陽が昇るような形に見えます。この形を日の出に見立て、年の初めを祝うようになりました。

紀文食品も、かまぼこを「日の出」の象徴として紹介しています。お正月の初日の出には、新しい一年が始まるという特別な意味があります。紅白かまぼこは、その日の出を食卓でも表す料理なのです。

ただし、どの種類のかまぼこも半円形というわけではありません。日の出に見立てる説明は、主に山形の板付きかまぼこの姿に結び付いたものです。

かまぼこは何から作られている?

かまぼこは、魚の身をすりつぶして練り、形を整えて加熱した食べ物です。おせちに使われる板付きかまぼこは、すり身を木の板に盛り付け、蒸して作るものが代表的です。

農林水産省が紹介する小田原かまぼこでは、グチなどの魚の身を水にさらし、塩や調味料を加えて練り、板に盛って蒸し上げます。白いかまぼこにはスケソウダラやグチなどの白身魚が使われます。紅色のかまぼこには、食用の色素などで色付けした製品もあります。

つまり、紅白かまぼこの白や紅は、魚の種類によって縁起が決まるのではなく、仕上がった料理の色に祝いの意味を込めたものです。もともとは魚を使った食べ物であり、現在も正月だけでなく普段の食事に使われています。

かまぼこは昔からお祝いに食べられていた?

かまぼこには長い歴史があります。紀文食品によると、1115年の祝宴の料理にかまぼこが出されたという記録があります。ただし、当時のものは竹の棒に魚のすり身を付けて焼く、今のちくわに近い形だったと説明されています。

板の上にすり身を盛る形は、その後広まったものです。紀文食品が紹介する正月の魚食文化の調査では、明治から大正にかけて、かまぼこが正月などのお祝いの席で食べられていた様子も確認できます。

昔から同じ形の紅白かまぼこが全国にあったというより、魚のすり身を使った料理が発展し、現在のような形や色に祝いの意味が重ねられてきたと考えると分かりやすいでしょう。

地域によって形が違うかまぼこもある

富山県には、板を使わず、魚のすり身を昆布や色付きのすり身で巻いて作る「巻きかまぼこ」があります。農林水産省によると、昆布巻きかまぼこは、江戸時代に北前船で運ばれた昆布を利用したことが始まりとされています。

ほかにも、富山県では鯛や宝船、松竹梅などを形にした「細工かまぼこ」が、婚礼や祝い事の贈り物として使われています。かまぼこは地域ごとに形が異なり、半円形の紅白かまぼこだけが祝いの料理というわけではありません。

おせちではどんなふうに盛り付ける?

紅白かまぼこは食べやすい厚さに切り、紅と白を交互に並べると、色の組み合わせがはっきり見えます。山形の部分を上に向けて盛り付けると、日の出に似た形も分かりやすくなります。

おせちでは、祝い肴などとともに重箱の「一の重」に詰める例があります。重箱を使わない家庭なら、お皿に並べるだけでも紅白の色を楽しめます。紅は喜び、白は清らかさ、半円は日の出という意味を知っておくと、いつものかまぼこが新年を祝う一品として感じられます。

参考資料