春の七草とは?七種類の名前と覚え方
春の七草は、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろの七種類です。1月7日に食べる七草粥に使う若菜や野菜を指します。名前を覚えるなら「せりなずな、ごぎょうはこべら、ほとけのざ、すずなすずしろ、これぞ七草」と、五・七・五・七・七のリズムで唱えるのがおすすめです。
春の七草はこの七種類!今の名前と特徴
春の七草には、昔の呼び名がそのまま残っているものがあります。環境省や静岡県立大学が紹介する七種類を、現在の植物名と一緒に見てみましょう。
- せり(芹)=セリ:水辺や湿った場所に生える、香りのよい草です。若い茎や葉を食べ、鍋料理にも使われます。
- なずな(薺)=ナズナ:「ペンペングサ」の名でも知られる身近な草です。春には小さな白い花が咲き、ハートに似た形の実ができます。
- ごぎょう(御形)=ハハコグサ:葉や茎が細かな毛に覆われ、白っぽく見える草です。春になると小さな黄色い花を咲かせます。「おぎょう」と呼ぶこともあります。
- はこべら(繁縷)=ハコベ:小さなやわらかい葉を持つ草です。畑や道端などで見られ、春には小さな白い花が咲きます。
- ほとけのざ(仏の座)=コオニタビラコ:地面に広げた葉が仏さまの座る台のように見える草です。春に黄色い花を咲かせます。
- すずな(菘)=カブ:いつも食べている野菜のカブです。七草粥には小さな根の部分や葉を使います。
- すずしろ(蘿蔔)=ダイコン:こちらも身近な野菜です。大根の白い根と緑の葉を七草粥に使います。
七種類すべてが珍しい野草というわけではありません。最後の二つは、スーパーで普段から見かけるカブと大根です。まず、この二つを覚えると、残りの五種類が整理しやすくなります。
「五・七・五・七・七」の歌で覚える
七種類を順番に覚えるには、昔から伝わる七草の歌が便利です。短歌と同じ五・七・五・七・七のリズムになるように、次の五つに区切って唱えます。
せり なずな(5音)
ごぎょう はこべら(7音)
ほとけのざ(5音)
すずな すずしろ(7音)
これぞ七草(7音)
最初の「せり・なずな」で二種類、次の「ごぎょう・はこべら」で二種類、「ほとけのざ」で一種類、「すずな・すずしろ」で二種類。2・2・1・2で合計七種類と数えると、歌と名前が結び付きます。
同志社女子大学によると、この歌は古い文献にも見られますが、誰が最初に作ったかははっきりしていません。作者を覚える必要はなく、声に出して二、三度唱えてみるとリズムがつかめます。
「すずな」と「すずしろ」の覚え方
特に迷いやすいのが、最後に並ぶ「すずな」と「すずしろ」です。覚えるときは、すずな=カブ、すずしろ=大根を一組にしましょう。
カブは丸くふくらんだ形のものが多く、大根は細長い形のものがよく知られています。「カブ・大根」の順番を、歌の「すずな・すずしろ」に当てはめると覚えやすくなります。
農畜産業振興機構も、春の七草の「すずな」はカブのことだと紹介しています。どちらも葉まで食べられる身近な野菜です。
七草の「ほとけのざ」は紫色の花の草ではない
春の七草で、名前を間違えやすいのが「ほとけのざ」です。七草粥に使うのは、コオニタビラコというキク科の植物です。
一方、道端でよく見かける、紫がかった小さな花を咲かせる「ホトケノザ」はシソ科の別の植物です。森林総合研究所も、七草の「ほとけのざ」は現在その名で呼ばれる草とは違い、コオニタビラコを指すと説明しています。
名前が同じだからといって、道端に咲いているホトケノザを七草粥に入れないようにしましょう。植物の名前と食用にできる種類は、分けて確認することが大切です。
なぜ「春」の七草を真冬の1月に食べる?
春の七草は、寒い季節の中でも芽を出す若い草を集めたものです。七草粥を食べる1月7日は、もともと旧暦の行事でした。岡山理科大学の植物園資料によると、旧暦の1月7日は現在の暦ではおおむね1月末から2月後半に当たり、今の1月7日より草が育っている季節でした。
今は新暦の1月7日に行事を続けています。お正月が近づくと七草のセットが店頭に並ぶので、昔のように野山へ摘みに行かなくても楽しめます。
野草を自分で摘むときは見間違いに注意
春の七草には身近な野草が含まれますが、見た目だけで判断して採るのは危険です。たとえば食用のセリに似た「ドクゼリ」は有毒で、間違えて食べると重い食中毒になることがあります。山口県も、食べられると確実に判断できない植物を食べないよう注意しています。
特に冬の若い草は、花がまだ咲いておらず、種類を見分けにくいことがあります。七草粥を作るなら、食用として販売されている七草セットや、カブ・大根など確かな食材を使うと安心です。
ちなみに「秋の七草」は、主に花を眺めて楽しむ七種類の植物を指します。七草粥に入れて食べる「春の七草」とは、役割が違います。