水引の色や本数には意味がある?用途別の選び方
水引(みずひき)は、贈り物やご祝儀袋に使う飾りひもです。色はお祝いか弔事か、本数は贈答の丁寧さや用途を表します。迷ったら、一般的なお祝いには紅白5本、結婚祝いには紅白または金銀の10本、香典返しや法要には黒白5本などを出発点にしましょう。ただし、西日本の弔事では黄白を使う地域もあり、贈り物の内容や家の習慣によって選び方が変わります。
水引の役割と由来は?
水引は、もともと贈り物を包んだ紙をひもで結び留めるためのものでした。和紙を細くよって作った「こより」に水糊を引き、乾かして固めたことが名前の由来とされています。
今では贈り主の気持ちを表す飾りとして、祝儀袋やのし紙、弔事の掛け紙に使われます。実際のひもを結んだものだけでなく、水引を印刷したのし紙も広く使われています。
右上の小さな飾りである「のし」と、中央にある「水引」は別のものです。弔事や病気のお見舞いでは、のし飾りを付けず、水引のある掛け紙だけを使う場合があります。
紅白・金銀・黒白・黄白・双銀はどう使い分ける?
水引の色は、贈り物の目的を見分ける基本になります。
- 紅白(こうはく):出産、入学、新築、長寿などの一般的なお祝い、お中元・お歳暮、御礼などに使います。結婚祝いにも使えます。
- 金銀(きんぎん):結納や結婚など華やかな儀礼に使います。百貨店によっては、長寿のお祝いや特に丁寧な贈り物にも紹介されています。
- 黒白(くろしろ):葬儀、香典返し、法要のお供えなど、弔事に広く使う組み合わせです。
- 黄白(きしろ):関西を中心とした西日本などで、法要や忌明け後の香典返しに使われることがあります。
- 双銀(そうぎん):両側とも銀色の水引です。香典袋や弔事の返礼などに使われ、黒白とともに弔事の選択肢になります。
金銀を婚礼専用とする贈答店もあれば、長寿のお祝いにも使うと案内する百貨店もあります。色の組み合わせを一つの全国共通ルールと考えず、まず贈る目的に合わせましょう。
水引の3本・5本・7本にはどんな意味がある?
水引の本数は、5本を基本として、3本・7本などを使い分けます。三越伊勢丹の法人向け贈答案内や、水引製品を扱うササガワは、次のように説明しています。
- 3本:5本を簡略にした形です。控えめな贈り物や、簡素な包装などに使われます。
- 5本:最も一般的な基本の本数です。出産祝い、お中元・お歳暮、御礼、香典返しなど、幅広い贈答の掛け紙に使われます。
- 7本:5本よりも丁寧で格式のある形として使われます。改まったお祝いや贈答品などに選ばれることがあります。
3・5・7本のように奇数が好まれる背景には、奇数を縁起のよい数とする陰陽説があるといわれています。5本の由来にも、五行説や手の指の数と結び付ける複数の説明があり、一つの説に定まっているわけではありません。
ただし、本数が多いほど必ず正しいわけではありません。贈答店によって包装の規格が違い、弔事にも地域ごとのしきたりがあります。7本を選ばなければ失礼、という意味ではないので、迷ったら用途に合った5本を基本に考えましょう。
結婚祝いで10本を使うのはなぜ?
結婚祝いや結婚内祝いでは、紅白または金銀の10本の水引が一般的です。基本となる5本の束を二つ合わせた形と考え、二人や両家が結ばれることを表すとされています。
10は偶数ですが、この場合は「5本が二組」と考えるため、一般のお祝いで奇数が好まれることと矛盾しません。高島屋は「夫婦水引(めおとみずひき)」とも案内しています。
結婚祝いには、繰り返さない方がよい祝い事を表す「結び切り」や「あわじ結び」の10本を選びます。結婚記念日のお祝いは、別の慶事として蝶結びを使う場合もあります。
用途別に見る水引の色・本数・結び方
贈答品を購入するときは、色と本数だけでなく、結び方も合わせて確認します。代表的な組み合わせは次のとおりです。
| 用途 | 色と本数の目安 | 結び方 |
|---|---|---|
| 出産・入学・新築などのお祝い | 紅白5本(7本の例も) | 蝶結び |
| お中元・お歳暮・一般の御礼 | 紅白5本 | 蝶結び |
| 結婚祝い・結婚内祝い | 紅白または金銀10本 | 結び切り・あわじ結び |
| 快気祝い・快気内祝い | 紅白5本(7本の例も) | 結び切り |
| 病気やけがのお見舞い | 紅白5本、または水引なし | 結び切りを使う場合あり |
| 香典返し・法要のお供え | 黒白5本、双銀、地域により黄白など | 結び切り・あわじ結び |
| 災害のお見舞い | 水引なしの白無地の紙・短冊など | なし |
水引の選び方は、贈る目的や地域、宗教によっても異なります。品物に付ける「のし飾り」は、お祝いなどには使いますが、弔事や病気のお見舞いには付けないのが基本です。
病気のお見舞いと快気祝いは、同じ紅白でも違う
病気やけがのお見舞いは、早く回復してほしいという気持ちを伝えるものです。百貨店では、のし飾りのない紅白5本の結び切りや、水引のない白い掛け紙・短冊を案内しています。
一方、病気やけがが回復した本人側から贈る「快気祝い」は、回復したことへのお礼です。こちらは紅白5本の結び切りに、のし飾りを付けた紙を使う例があります。
同じ紅白の水引でも、贈る目的によってのし飾りの有無や表書きが変わります。お見舞いと回復後のお返しを取り違えないようにしましょう。
弔事の黒白と黄白は、地域のしきたりを確認する
葬儀や香典返し、法要の品物では黒白や双銀が使われます。関西などでは、四十九日を終えた後の香典返しや法要に黄白の水引を使う習慣もあります。
例えば、同じ香典返しでも、黒白5本の掛け紙に「志」と書く場合と、黄白5本の掛け紙に「満中陰志」と書く場合があります。西武・そごうは、黄白を関西を中心とする西日本で忌明け以降の弔事に使うと案内しています。
地域によっては法要の回数で黒白と黄白を分けることもあるため、県名だけで決めつけず、葬儀社や地元の贈答店、親族に確認しましょう。弔事では、のし飾りのない掛け紙を使います。
水引の左右の色は決まっている?
紅白や金銀などの二色の水引は、正面から見て濃い色を向かって右、淡い色を向かって左にするのが一般的です。紅白なら赤が右で白が左、金銀なら金が右で銀が左になります。
市販ののし紙や祝儀袋なら通常は整った状態で販売されています。自分で水引を結ぶ場合や手作りの贈り物を用意するときは、左右の色も確認しましょう。
迷ったときは本数よりも用途を優先して選ぶ
のし紙や掛け紙を用意するときは、次の順で確認すると迷いにくくなります。
- お祝い・お礼・弔事・お見舞いのどれかを決める。
- 色を選ぶ。お祝いなら紅白、婚礼なら紅白・金銀、弔事なら黒白などが出発点です。
- 本数を確認する。一般的な贈答なら5本、婚礼なら10本を目安にし、必要に応じて3本・7本などを選びます。
- 結び方とのし飾りの有無を用途に合わせる。迷ったら、購入先に何の贈り物かを伝えて相談しましょう。
水引の形が華やかであっても、用途に合わない色や結び方では適切とは限りません。色・本数・結び方をセットで確認することが、失敗を防ぐ基本です。