千歳飴にはどんな意味がある?細長い形に込められた願い
千歳飴(ちとせあめ)は、七五三を迎えた子どもが、これからも元気に長く生きられるようにという願いを込めたお祝いの飴です。細長い棒の形には長寿への願いが、紅白の色や鶴亀などが描かれた袋にはおめでたい意味が込められています。七五三では、ここまでの成長に感謝し、これからの健やかな成長を願って千歳飴を用意します。
千歳飴の「千歳」と細長い形にはどんな意味がある?
「千歳」は、千年という長い年月を表す言葉です。千歳飴という名前には、子どもにいつまでも健康で長生きしてほしいという願いがあります。
飴が細長いのも、その願いを形にしたものです。愛知県共済の日本文化講座では、千歳飴の長い形を「子どもに末長く生きてほしい」という親の願いの表れとして紹介しています。また、日本educe食育総合研究所は、飴を長く伸ばして作ることに長寿の願いが重ねられてきたと説明しています。
七五三は、3歳・5歳・7歳という節目に、無事に成長したことを祝い、これからの幸せを願う行事です。長い千歳飴は、子どものこれからの人生が長く健やかに続くようにという気持ちを表す縁起物なのです。
なぜ紅白の飴なの?袋の鶴亀や松竹梅にも意味がある?
昔ながらの千歳飴は、紅色と白色の細長い棒飴です。紅白はお祝い事によく使われる、おめでたい色の組み合わせです。長い紙袋にも、祝いの気持ちを表す絵柄が使われてきました。
- 鶴と亀:どちらも長寿の象徴として知られ、子どもが元気に長生きすることへの願いを表します。
- 松竹梅:祝い事に使われる縁起のよい組み合わせで、健やかな成長や幸せを願う気持ちにつながります。
- 「寿」の文字:お祝いの喜びや、幸せが続くようにという思いを表します。
鈴鹿明神社も、紅白の棒飴を松竹梅や鶴亀の絵柄の袋に入れる習わしを紹介しています。現在はさまざまなデザインの袋がありますが、長い飴とおめでたい袋を組み合わせるのが伝統的な姿です。
千歳飴はいつから七五三に使われるようになったの?
千歳飴の始まりには、いくつかの説があります。国立国会図書館は、その一つとして、江戸時代の元禄・宝永期(1688~1711年)に、浅草の飴売り・七兵衛が「千年飴」などの名前で売っていた飴を、寿の字や鶴亀を描いた袋に入れて売るようになったという説を紹介しています。
明治神宮の公式Q&Aでも、七兵衛が「千歳飴」または「寿命飴」と書いた長い袋に入れて売り歩いたという話が紹介されています。一方、大坂から江戸へ来た商人が売り始めたという説もあり、誰が最初に作ったのかは一つに断定できません。
国立国会図書館によると、東京の庶民の間では明治時代に、子どもに晴れ着を着せ、千歳飴を買う習わしが根づいていきました。そうした祝い方が広まる中で、千歳飴は七五三を象徴するお菓子になったのです。
千歳飴は何本用意する?どこでもらえる?
昔は子どもの年齢と同じ本数を袋に入れる習わしもあったといわれます。しかし、3歳なら3本、5歳なら5本と必ずそろえる決まりはありません。鈴鹿明神社では、今は2本か3本入りが一般的と紹介し、実際に3本入りの千歳飴を頒布しています。
千歳飴は神社で授けられたり、和菓子店などで購入したりできます。神社によって授与する方法や時期は異なるため、七五三の参拝に合わせて欲しい場合は、事前に確認しておくと安心です。
家族や親戚で分けて食べる習わしもあります。七社神社は、千歳飴を周りの人と分け合い、お祝いの喜びを伝える「お福分け」について紹介しています。
千歳飴は折ったり切ったりして食べてもいい?
長生きへの願いが込められているため、「途中で折ると縁起が悪いのでは」と気になるかもしれません。しかし、千歳飴を折ったり切ったりして食べても構いません。七社神社も、長いまま食べる必要はなく、家族などと分けて食べてよいと説明しています。
千歳飴は硬く、長いまま口にくわえると転んだときに口を傷つけるおそれがあります。子どもが食べるときは長いまま歩かせず、食べやすさを考えて大人が扱いましょう。
また、消費者庁は、飴を歩きながら食べて窒息した子どもの事故例を紹介しています。小さく割れば必ず安全になるわけでもありません。かむ力や飲み込む力が十分でない子には無理に食べさせず、食べる場合も座って落ち着いて食べさせ、大人がそばで見守ってください。
千歳飴の大切な意味は、長いまま食べきることではなく、子どもの成長を喜び、これからの健康と幸せを願うことにあります。