「わかりました」と「かしこまりました」の違いは?

言葉・日本語
ソボチエ編集部

「わかりました」は、相手の話や説明を理解したことを伝える、丁寧な返事です。一方、「かしこまりました」は、依頼や指示を謹んで受ける気持ちを表します。

どちらも仕事で使える言葉ですが、お客様からの注文や依頼を受ける場面では「かしこまりました」がよく合います。単に話の内容を理解したときには「わかりました」のほうが自然な場合もあります。

「わかりました」は理解したことを伝える

「わかりました」は、「わかる」を丁寧にした言い方です。小学館の『デジタル大辞泉』では、「わかる」を物事の意味や区別を理解することなどと説明しています。

「ます」を使うことで相手に丁寧に述べる形になります。文化庁の「敬語おもしろ相談室」でも、「です」「ます」を使う言い方は丁寧語として説明されています。

  • 先生の説明を聞いて「わかりました。もう一度やってみます」
  • 友人から集合場所を教わって「わかりました。駅の東口ですね」
  • 同僚から予定の変更を聞いて「わかりました。予定を直します」

このように、説明を理解したときにも、伝えられたことに対応するときにも使えます。

「かしこまりました」は依頼や指示を謹んで受ける

「かしこまりました」は、「かしこまる」という言葉からできた返事です。『デジタル大辞泉』では、「かしこまる」には命令や依頼などを謹んで承るという意味があると説明されています。

漢字ペディアにも「つつしんで承知する」という意味が載っています。「内容を聞きました」だけではなく、「お申し付けの内容を受けました」という気持ちが伝わりやすい言葉です。

  • お客様から「温かいお茶をください」→「かしこまりました。すぐにお持ちします」
  • 取引先から「資料を送ってください」→「かしこまりました。本日中にお送りします」

相手の依頼に応じる返事なので、接客や丁寧な仕事のやり取りでよく使われます。

二つの違いは「理解」と「依頼を受ける気持ち」

例えば、「会議は午後3時からです」と教えられた場合は、「わかりました。午後3時ですね」で十分自然です。相手が知らせた内容を理解したことが伝わります。

一方、「午後3時までに会議室を準備してください」と頼まれたときは、「かしこまりました。準備いたします」と返すと、依頼を受けて対応する気持ちが伝わります。

「わかりました」も依頼を受け入れる返事として使えます。二つを完全に別の意味として分けるのではなく、どちらの気持ちを強く表したいかで選びましょう。

上司やお客様にはどちらを使う?

同僚や親しい先輩との普段のやり取りなら、「わかりました」でも丁寧な返事になります。上司に使っただけで、日本語として必ず間違いになるわけではありません。

ただし、目上の人から正式な指示を受けたり、お客様の要望を受けたりするときは、「かしこまりました」を使うと、より改まった印象になります。

  • 同僚から会議室の場所を聞く:「わかりました。ありがとうございます」
  • 上司から書類作成を頼まれる:「かしこまりました。明日までに作成します」
  • お客様から商品の取り寄せを頼まれる:「かしこまりました。在庫を確認いたします」

同じ職場でも、相手との関係やその場の雰囲気に合わせて使い分けると自然です。

「かしこまりました」が合わない場面は?

単に知識を教わっただけなら、「かしこまりました」では少し不自然になることがあります。例えば、「この漢字はこう読みます」という説明への返事は、「わかりました。ありがとうございます」のほうが会話に合います。

また、「かしこまりました」は依頼を引き受ける意味を含むため、対応できるか分からないときに、すぐ言うのは避けたほうがよいでしょう。

例えば、その日に商品を届けられるか確認が必要なら、「確認してからお返事いたします」と伝えます。できないことまで引き受けたように聞こえる返事をしないためです。

メールや電話ではどう返せばよい?

メールや電話でも、基本的な違いは同じです。相手の連絡を理解したことを示すなら「わかりました」、丁寧に依頼を受けるなら「かしこまりました」が使えます。

  • 連絡内容を確認した:「わかりました。ご連絡ありがとうございます」
  • 日程変更の依頼を受けた:「かしこまりました。変更後の日程で手配いたします」
  • 依頼の内容をまだ確認できていない:「詳細を確認して、改めてご連絡します」

特に仕事の連絡では、返事の言葉だけで終わらせず、「何をするか」「いつ対応するか」を一言添えると、相手も安心して次の予定を考えられます。

まとめ

「わかりました」は理解したことを丁寧に伝える言葉で、「かしこまりました」は依頼や指示を謹んで受ける返事です。どちらが正しいかを一律に決めるのではなく、単に理解したのか、相手の頼みを引き受けるのかで選ぶと、自然に使い分けられます。

参考資料