「お先に失礼します」にはどう返す?退勤時の挨拶と言葉の交わし方
職場で「お先に失礼します」と声を掛けられたら、基本の返事は「お疲れさまでした」です。先に仕事を終えて帰る人を、ねぎらう気持ちで送り出します。相手が上司でも同僚でも、この返し方で自然に伝わります。
「お先に失礼します」は先に帰る人が言う挨拶で、「お疲れさまでした」はそれを受ける人が言う挨拶です。まずは、この組み合わせを覚えると迷いません。
基本の返事は「お疲れさまでした」
退勤する人が「お先に失礼します」と言ったら、残る人は「お疲れさまでした」と返します。
- 帰る人:「お先に失礼します」
- 残る人:「お疲れさまでした」
法務省矯正局の『ビジネスマナー ワークブック』では、先に退社するときと、先に帰る人を見送るときの挨拶として、この二つの言葉を挙げています。高松市の職員向けガイドでも同じ使い分けを案内しています。
長い返事は必要ありません。相手のほうを向き、聞こえる声でひと言返すと、気持ちよく挨拶を交わせます。
上司・同僚・後輩への返し方は変わる?
上司や先輩が帰るときも、「お疲れさまでした」で構いません。同僚や後輩に対しても同じ言葉を使えます。
- 上司が帰る:「お疲れさまでした」
- 同僚が帰る:「お疲れさまでした」
- 親しい後輩が帰る:「お疲れさま」
親しい相手なら短い言い方も使えますが、仕事の場で迷ったら「お疲れさまでした」を選ぶと、相手との立場をあまり気にせず返せます。
国立国語研究所は、「お疲れさま」が職場で互いに掛け合う挨拶として広く使われていることを説明しています。
「お疲れさまです」と返してもいい?
「お疲れさまです」も職場で使われる挨拶です。ただし、これから仕事を終えて帰る人を見送る場面では、終わった仕事をねぎらう「お疲れさまでした」のほうが状況に合います。
一方、勤務中に顔を合わせたときや社内で声を掛けるときには、「お疲れさまです」が使われます。国立国語研究所も、職場での「お疲れさまです」は挨拶言葉として使われていると紹介しています。
「です」と「でした」のどちらかを機械的に正誤で分けるより、仕事をしている途中なのか、終えて帰るところなのかを考えると選びやすくなります。
「ご苦労さまでした」と返してもいい?
「ご苦労さまでした」も相手をねぎらう言葉ですが、現在の職場では、上司や先輩に使うのを避けるよう案内されることがあります。退勤の挨拶なら「お疲れさまでした」を選ぶと無難です。
ただし、国立国語研究所は、「ご苦労さま」を目下の人だけに使う言葉だと一律に説明することはできないとしています。言葉の意味や使われる場面には幅があります。
日々の退勤時には、難しく考えすぎず、広く使える「お疲れさまでした」で返すとよいでしょう。
自分が先に帰るときは何と言う?
自分がほかの人より先に退勤するなら、「お先に失礼します」と挨拶します。相手がまだ働いていても、必要以上に謝る言葉を重ねる必要はありません。
例えば、上司や同僚が近くにいる場合は、帰り際に「お先に失礼します」と声を掛け、相手から「お疲れさまでした」と返ってきたら、そのまま退勤できます。
法務省の教材では、仕事上の挨拶を「お先に」だけに短くせず、「お先に失礼します」と伝える例も示されています。帰る側と見送る側で言葉を取り違えないようにしましょう。
外出するときの挨拶とはどう違う?
仕事を終えて帰宅する「退勤」と、勤務中に用事で外へ出る「外出」は違います。
- 退勤する人:「お先に失礼します」
- 退勤する人への返事:「お疲れさまでした」
- 勤務中に外出する人:「行ってきます」「行ってまいります」
- 外出する人への返事:「行ってらっしゃい」
用事を済ませて職場に戻る予定なら、帰宅するときの挨拶ではなく、外出することが分かる言葉を使います。仕事の用件で出る際は、必要に応じて行き先や戻る予定も伝えると、周囲が対応しやすくなります。
返事をするときに気を付けたいこと
「お先に失礼します」と聞こえたら、手を止められる範囲で顔を向け、短く返事をしましょう。相手が離れた場所にいるなら、無理に大声を出すより、状況に応じて会釈することもできます。
忙しい時間帯でも、挨拶を長い会話にする必要はありません。今日の仕事で特に助けてもらったなら、「お疲れさまでした。今日はありがとうございました」と感謝を一言添えても自然です。
職場ごとに挨拶の習慣は異なるので、基本の形を押さえながら、周囲の雰囲気に合わせましょう。
まとめ
「お先に失礼します」と言われたら、「お疲れさまでした」と返すのが基本です。先に帰る人は「お先に失礼します」、見送る人は「お疲れさまでした」と覚えておけば、上司や同僚との退勤時の挨拶にも使えます。