「気が置けない」の意味は?気を許せないという意味ではない?
「気が置けない」は、「気を許せない」「油断できない」という意味ではありません。本来はその反対で、相手に遠慮や気兼ねをする必要がなく、心から打ち解けられるという意味です。「気が置けない友人」と言えば、気楽に付き合える親しい友人を表します。
「気が置けない」は、遠慮しなくてよいという意味
デジタル大辞泉では、「気が置けない」を、遠慮したり気をつかったりする必要がなく、心から打ち解けることができる状態と説明しています。精選版日本国語大辞典でも、「気の置けない」は、相手に気づまりや遠慮を感じないさまとされています。
つまり、「気が置けない人」は、警戒しなければならない人ではなく、一緒にいて気を張らずに済む人です。
「気が置ける」の反対だと考えると分かりやすい
「気が置ける」という表現には、何となく打ち解けられない、遠慮されるという意味があります。「気が置けない」は、その「気が置ける」を「ない」で打ち消した形です。
- 気が置ける:遠慮や気兼ねがあり、打ち解けにくい
- 気が置けない:遠慮や気兼ねがなく、打ち解けられる
「置けない」という否定の形だけを見ると悪い意味に感じやすいのですが、否定されているのは「遠慮や気兼ねがある状態」です。
「気を許せない」とは意味が違う
「気を許す」は、相手を信用して警戒心や緊張をゆるめることです。そのため「気を許せない」は、相手を十分には信用できず、警戒を解けないという意味になります。
一方、「気が置けない」は、相手に遠慮する必要がないほど親しいことを表します。「気を許せない」と「気が置けない」は、似た言葉の並びに見えても、意味は同じではありません。
「気が置けない友人」は褒める表現
たとえば「彼とは学生時代からの気が置けない友人です」と言えば、「彼とは昔から遠慮なく付き合える親しい間柄です」という意味になります。
「気が置けない仲間と食事をした」「気が置けない間柄なので何でも話せる」のように、親しさや気楽さを表す場面で使えます。
反対の意味に受け取る人も少なくない
文化庁の平成24年度「国語に関する世論調査」では、「その人は気が置けない人ですね」という例文の意味を尋ねています。本来の意味である「相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい」を選んだ人は42.7%でした。
一方、本来とは反対の「相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない」を選んだ人は47.6%でした。この調査では、反対の意味に受け取った人のほうが多い結果になっています。
文化庁の「言葉のQ&A」でも、「『気が置けない人』は、油断ならない人?」という題でこの言葉が取り上げられています。以前から誤解されやすい表現であることが分かります。
誤解を避けたいときは分かりやすく言い換える
「気が置けない」は本来、親しさを表す言葉ですが、反対の意味で理解する人もいます。仕事の文章や、相手に確実に意味を伝えたい場面では、次のように言い換えると分かりやすくなります。
- 遠慮なく話せる人
- 気心の知れた友人
- 気楽に付き合える相手
- 打ち解けて話せる間柄
言葉そのものを知っているかどうかで意味が逆に伝わる可能性があるため、相手や場面に合わせて表現を選ぶと安心です。
まとめ
「気が置けない」は、「気を許せない」という意味ではありません。遠慮や気兼ねをする必要がなく、心から打ち解けられるという意味です。「気が置ける」の反対と考えると覚えやすくなります。ただし反対の意味に受け取る人もいるため、大切な場面では「遠慮なく話せる」「気心が知れている」などと言い換える方法もあります。