「対象」と「対称」と「対照」の違いは?
「対象」「対称」「対照」は、どれも「たいしょう」と読みますが、意味は異なります。「対象」は働きかけや関心が向かう相手・物、「対称」は形や位置が互いに対応してつり合うこと、「対照」は二つのものを照らし合わせて比べることです。
例えば「小学生を対象にする」「左右対称の図形」「二人の性格が対照的」のように使います。何かに注目するのか、形がつり合うのか、二つを比べるのかを考えると、漢字を選びやすくなります。
「対象」は調べたり働きかけたりする相手や物
「対象」は、調査や行動、関心などが向けられる相手や物のことです。「目標」「目当て」「ターゲット」と言い換えると意味がつかみやすくなります。
- 小学生を対象にしたイベント
- アンケートの調査対象
- 研究の対象になる
- 割引の対象となる商品
- 批判の対象になる
「小学生を対象にしたイベント」は、小学生向けに開くイベントです。「調査対象」は、アンケートなどで調べる相手や物を指します。また、「割引対象の商品」は、割引が適用される商品という意味です。
対象は、人だけでなく物や出来事にも使えます。例えば、動物の生態を調べるなら、その動物が「研究対象」です。何に注目しているのかを表す言葉だと考えましょう。
「対称」は形や位置がつり合っていること
「対称」は、互いに対応する部分の形や位置がつり合っていることを表します。算数で習う「左右対称」「線対称」「点対称」も、この漢字を使います。
- 左右対称の模様
- 窓が左右対称に配置された建物
- 線対称な図形
- 点対称な図形
「線対称」は、ある直線を折り目として折ったとき、両側がぴったり重なる形のことです。例えば長方形は、中心を通る縦の線で折れば、左右が重なります。
「点対称」は、ある点を中心に180度回転させると、元の形にぴったり重なることです。長方形や平行四辺形は点対称な図形です。こうした意味は文部科学省の算数の解説でも示されています。
「対照」は二つのものを比べ合わせること
「対照」は、二つのものを並べたり照らし合わせたりして、共通点や違いを確かめることです。「照らし合わせる」の「照」から覚えると分かりやすくなります。
- 原文と訳文を対照する
- 二つの資料を対照して読む
- 数字を対照表で確認する
- 条件を変えて対照実験を行う
「原文と訳文を対照する」は、元の文章と翻訳された文章を比べることです。「対照表」は、二つ以上の内容を見比べやすいようにまとめた表です。
また、「対照」には、違いがはっきりして目立つという意味もあります。例えば「明るい性格と物静かな性格が対照的」といえば、二人の性格の違いが際立っている様子を表します。
「対照的」と「対称的」はどう違う?
この二つは特に間違えやすい言葉です。「対照的」は性格や特徴などの違いがはっきりしていること、「対称的」は形や配置などが互いにつり合っていることを表します。
- 二人の性格は対照的だ:性格の違いが際立つ
- 二つの部屋は対照的な雰囲気だ:雰囲気の違いが目立つ
- 左右対称的な模様:左右の形や配置が対応している
- 対称的に並んだ二つの窓:位置がつり合うように並んでいる
「二人の性格がたいしょう的」と言いたいなら、違いを強調しているため「対照的」です。一方、左右の形が鏡に映したようにそろっているなら「対称的」を使います。音は同じでも、比べることとつり合うことは別です。
「調査対象」と「比較対照」の違い
例えば、小学生と中学生の読書についてアンケートをするとします。このとき「調査対象」は、調査に参加する小学生や中学生のことです。一方、「結果を対照する」は、二つのグループの回答を照らし合わせて比べることです。
同じ調査の文章でも、「誰を調べるか」を表すなら「対象」、「結果を比べる」なら「対照」を使います。「比較対象」という言葉では、比較する相手や物そのものを指すので「対象」です。
迷ったときの選び方
「たいしょう」がどの意味で使われているかを、前後の言葉と一緒に確認しましょう。
- 人や物を調べる・働きかける先なら「対象」
- 左右や上下の形・位置のつり合いなら「対称」
- 二つの内容を比べたり、違いを際立たせたりするなら「対照」
「対象年齢」「左右対称」「対照的な性格」という代表的な言葉を一つずつ覚えるだけでも、使い分けやすくなります。
まとめ
「対象」は働きかける相手や物、「対称」は形や配置のつり合い、「対照」は物事を照らし合わせて比べることです。「たいしょう的」と書くときも、違いを強調するのか、形のつり合いを表すのかを考えて選びましょう。