霜はどうしてできる?寒い朝に地面が白くなる理由
寒い朝に地面や草が白く見えるのは、空気中の水蒸気が、冷えた地面や葉の表面で小さな氷の結晶になり、霜(しも)が付くためです。霜は空から雪のように降ってくるのではなく、地面や植物の表面で直接できます。
特に、よく晴れて風の弱い夜は地面が冷えやすく、翌朝に霜が見られることがあります。天気予報の気温が0℃より高くても霜が付く場合があるのは、地面の表面が空気より冷たくなることがあるからです。
霜は空気中の水蒸気が氷になったもの
空気には目に見えない水蒸気が含まれています。地面や草の葉が0℃以下に冷え、周りの水蒸気がその表面で直接氷の結晶になると、霜ができます。このように気体の水蒸気から直接氷になる変化を「昇華(しょうか)」といいます。
気象庁の気象研究所では、霜を地面や地面近くのものに付いた氷の結晶と説明しています。結晶の形には、うろこ状や針状、羽のような形などがあります。細かな氷の結晶が表面を覆うことで、草や地面が白く見えるのです。
霜ができるまでの流れ
冬の朝に草へ霜が付く場合を考えると、次のような順番になります。
- 夜になり、地面や草の葉が周りの空気より冷えていきます。
- 地面や葉の表面温度が0℃以下になります。
- 表面近くの空気に含まれる水蒸気が、直接氷の結晶になります。
- 氷の結晶が草や土の表面に付いて育ち、朝になると白く見えます。
霜が育つには、低い温度だけでなく、氷の結晶になるための水蒸気も必要です。地面が冷えた日でも、霜が必ず付くわけではありません。
晴れて風の弱い夜にできやすいのはなぜ?
地面は夜になると、熱を外へ逃がして冷えていきます。雲が少ない夜は、地面から出た熱が空へ逃げやすく、地面の表面温度が下がりやすくなります。これを「放射冷却(ほうしゃれいきゃく)」といいます。
風が弱いと、地面の近くにたまった冷たい空気が、上の暖かい空気と混ざりにくくなります。そのため、地面や草がさらに冷え、霜ができる条件がそろいやすくなります。
また、盆地や谷のような低い場所には冷たい空気がたまりやすいため、霜が付きやすい場合があります。冬だけでなく、春や晩秋の冷え込んだ朝にも見られます。
気温が0℃以上でも霜がおりるのはなぜ?
天気予報で見る気温は、一般に地上約1.5メートルの高さの空気を測ったものです。一方、霜ができるのは草や地面などの表面です。そのため、予報の気温と霜が付く場所の温度は同じとは限りません。
長野地方気象台では、晴れて風が弱く、気温が3℃近くまで下がるようになると霜がおりやすいと説明しています。空気の気温が数℃でも、地面や葉の表面は0℃以下になっている場合があるのです。
ただし、3℃は霜ができるかどうかを決める厳密な境目ではありません。風、雲の量、場所、水蒸気の状態などによって変わります。
霜と雪・霜柱・露はどう違う?
寒い朝に見られる白いものには、でき方の異なるものがあります。
- 霜:空気中の水蒸気が、冷えた地面や草などの表面で直接氷の結晶になったもの。
- 雪:雲の中で育った氷の結晶などが、空から降ってきたもの。
- 霜柱:土の中の水分が地表近くで凍り、氷の柱となって伸びたもの。
- 露(つゆ):空気中の水蒸気が冷えた表面で液体の水滴になったもの。
霜も霜柱も白く見えることがありますが、霜は空気中の水蒸気からでき、霜柱は主に土の中の水からできます。また、霜は「霜がおりる」と言いますが、雪のように空から落ちてくるわけではありません。
朝になると霜が消えていくのはなぜ?
日の出後に日光が地面や草を温めると、付いていた氷の結晶が溶けて水になったり、水蒸気になって空気中へ戻ったりします。朝は一面が白く見えても、日が高くなるころには霜が見えなくなることがあります。
なお、春の冷え込んだ朝には、霜が植物の新芽や花を傷めることがあります。家庭菜園や庭の植物を育てている場合は、季節外れの冷え込みや霜注意報を確認しましょう。
まとめ
霜は、冷えた地面や草の表面に、空気中の水蒸気が直接氷の結晶となって付く現象です。晴れて風の弱い夜は放射冷却で地面が冷えやすく、翌朝に白い霜が見られることがあります。気温だけでなく、地面の温度や風、雲の状態も関係しています。