雨はどうして降る?雲から雨になるまでのしくみ

自然・生き物
ソボチエ編集部

雨が降るのは、雲の中にある小さな水滴や氷の粒が成長し、空気の流れでは支えられなくなって地上へ落ちてくるからです。雲ができただけでは雨にはならず、粒が十分に大きくなることが必要です。

雨粒になる道筋には、水滴同士がぶつかって大きくなる場合と、上空で育った氷の粒や雪が落ちる途中に溶ける場合があります。雲の中から地上に届くまでを順番に見てみましょう。

雲から雨になるまでの流れ

雲は、空気中の水蒸気が冷やされてできた小さな水滴や氷の粒の集まりです。その粒が雨になるまでには、次のような段階があります。

  1. 雲の中に、小さな水滴や氷の粒ができます。
  2. 水滴同士がぶつかってくっついたり、氷の粒が成長したりして、粒が大きくなります。
  3. 粒が大きくなると、上に向かう空気の流れでは支えられなくなり、落ち始めます。
  4. 水滴のまま、または氷が途中で溶けて水になり、地上まで届くと雨になります。

気象庁の子ども向け解説でも、雲の中の水の粒が大きくなり、空にとどまれなくなると雨として降ってくると説明しています。

雲の小さな粒がすぐに雨にならないのはなぜ?

雲の水滴はとても小さいため、下へ落ちようとしても、周りの空気の抵抗を受けてゆっくりしか動きません。さらに、雲の中で上向きの風である「上昇気流(じょうしょうきりゅう)」が吹いていると、粒は空中にとどまりやすくなります。

一方、私たちが地上で見る雨粒の直径は、およそ0.5ミリメートルから数ミリメートルほどです。雲の細かな粒がそのまま落ちてきたのではなく、雲の中で成長しているのです。

水滴がぶつかって大きな雨粒になる

雲の中では、上昇気流などによって水滴が動いています。小さな水滴がほかの水滴とぶつかり、くっつくことで、少しずつ大きな粒になっていきます。

粒が大きくなると落ちる速さも増します。落下する途中で周りの小さな水滴を取り込み、さらに成長することもあります。氷にならず、水滴のまま成長して雨になるしくみもあるのです。

上空で雪や氷として育ち、溶けて雨になることもある

雨は、最初から最後まで液体の水だったとは限りません。上空の冷たい雲では、氷の粒や雪の結晶が大きく育ち、それが下へ落ちてくる場合があります。

地上に近づく途中に暖かい空気の層があれば、雪や氷の粒が溶け、液体の雨になります。名古屋大学は、氷にならずにできる「暖かい雨」と、雪などが溶けてできる「冷たい雨」という二つのしくみを紹介しています。ここでいう「冷たい雨」は、降ってきた雨が必ず冷たいという意味ではなく、雲の中で氷を経てできた雨のことです。

日本が含まれる温帯では、上空で雪としてできたものが溶けて雨になる場合が多いとされています。

雲があっても雨が降らないことがあるのはなぜ?

雲の中に水滴があっても、十分に大きくならなければ雨粒として落ちてきません。白い雲が広がっているのに雨が降らないのは、こうした状態もあるためです。

また、雲から粒が落ち始めても、下の空気が乾いていると、地上に届くまでに蒸発してしまうことがあります。気象庁は、雲の底から尾のように伸びて見える「尾流雲(びりゅううん)」について、このような現象を説明しています。空の上で雨ができても、必ず地面まで届くわけではありません。

急に強い雨が降るのはなぜ?

夏の夕立などでは、暖かく湿った空気が勢いよく上昇し、積乱雲(せきらんうん)が発達することがあります。積乱雲の中には強い上昇気流があるため、水や氷の粒はすぐには落ちず、大きく成長することがあります。

やがて上昇気流でも支えられなくなると、多くの粒が雨として一気に落ちてきます。これが短い時間に強い雨が降るしくみの一つです。雨が落ちることで下向きの空気の流れが生まれ、雲への水蒸気の補給が弱まると、雨が短時間でやむこともあります。

まとめ

雨は、雲の中の小さな水滴や氷の粒が大きく成長して落下し、水として地上に届いたものです。水滴同士がくっつく場合もあれば、上空の雪や氷が溶ける場合もあります。雲があっても、粒が大きくならなかったり、途中で蒸発したりすると雨は地上まで届きません。

参考資料