雷が鳴るとき木の下に避難してはいけないのはなぜ?
雷が鳴ったときに木の下へ逃げてはいけないのは、木に落ちた雷の電気が、そばにいる人へ飛び移ることがあるためです。背の高い木は雷が落ちやすく、幹に触れていなくても、近くにいるだけで命にかかわる危険があります。
雨を避けるために大きな木の下へ入りたくなりますが、雷が聞こえたら木から離れ、しっかりした建物や閉じた自動車の中へ避難することが大切です。
高い木には雷が落ちやすい
雷は、周りより高く突き出たものに落ちやすい性質があります。公園や広場に一本だけ立っている大きな木は、周囲のものより高いため、落雷を受けることがあります。
木だけに雷が落ちるわけではなく、開けた場所では人が直接落雷を受けることもあります。雷を避けるには、高い木の下へ移るのではなく、屋外から安全な場所へ移動する必要があります。
木から人へ飛び移る「側撃雷」が危険
雷の電気が木に落ちると、その一部が木の幹などを伝って流れます。このとき、近くに人がいると、木から人の体へ電気が飛び移ることがあります。これを「側撃雷(そくげきらい)」といいます。
木の幹に背中をつけて雨宿りしている場合はもちろん、枝や葉のすぐ近くにいても危険です。気象庁は、木の下で雨宿りをしているときの死傷事故の多くが、側撃雷によるものだと説明しています。
木の周りの地面にも電気が流れる
木に雷が落ちると、電気は地面にも広がります。この地面を伝わる電流によって、近くにいる人がけがをすることがあります。木を直接触っていなくても安心できない理由の一つです。
地面に寝転がると、体が地面に触れる部分が増え、電流の影響を受けやすくなります。落雷の危険がある屋外では、地面に腹ばいになって雷をやり過ごそうとしないでください。
林の中や屋根のある場所なら安全?
木が何本もある林や森の中でも、木への落雷や側撃雷の危険があります。特に背の高い木や、周囲から一本だけ突き出た木のそばには近づかないようにします。
また、公園にある壁のない東屋(あずまや)やテント、建物の軒先も、雷を避ける場所としては適していません。屋根があって雨を防げても、雷から体を守れるとは限らないためです。
雷が鳴ったらどこへ避難する?
雷鳴が聞こえた時点で、落雷の危険が迫っています。雨がまだ降っていなくても、屋外での遊びや作業をやめ、次のような場所へ速やかに移動しましょう。
- 鉄筋コンクリートなどでできた、しっかりした建物の中
- 一般的な木造住宅など、壁と屋根のある建物の中
- 窓を閉めた自動車(オープンカーを除く)や、バス・列車の中
建物の中へ入った後も、窓や外へつながる水道管、コンセントにつながった電気器具には触れないようにします。
すぐに建物へ入れないときは?
まず高い木から離れ、できるだけ早く建物や車を目指します。気象庁は、避難できる安全な空間が近くにない場合、最低でも木の幹・枝・葉のすべてから2m以上離れるよう案内しています。ただし、その距離を取れば屋外で安全になるという意味ではありません。
山頂や尾根、水辺など危険な場所も避け、持ち物を頭より高く突き出さないようにします。屋外に確実に安全な場所はないため、その場で雷が過ぎるのを待つより、安全な場所への避難を優先してください。
雷がやんだら、すぐ外へ出てもいい?
雷の音が一度止まっても、雷雲がまだ近くにある場合があります。雨が弱くなったり、空が明るくなったりしただけでは、危険がなくなったとは判断できません。
米国気象局と日本大気電気学会は、最後の雷鳴から30分たつまで安全な場所で待つことを勧めています。外へ戻る前にも、周囲の空や雷の情報を確認しましょう。
まとめ
雷が鳴るときに木の下が危険なのは、木が落雷を受けやすく、その電気が人へ飛び移ったり、地面を伝わったりするためです。木の下で雨宿りせず、雷鳴が聞こえたら速やかに建物や閉じた車の中へ避難しましょう。