「取る」「採る」「捕る」「撮る」の違いは?使い分け方
「取る」「採る」「捕る」「撮る」は、どれも「とる」と読みますが、何をするかによって漢字が変わります。「取る」は手に持つ、手に入れる、取り除くなど広い意味で使い、「採る」は集めたり選んだりすること、「捕る」はつかまえること、「撮る」は写真や映像を記録することを表します。
例えば「メモを取る」「きのこを採る」「虫を捕る」「写真を撮る」です。何をとるのかだけでなく、どのような行動かを考えると書き分けやすくなります。
「取る」は手に入れる・取り除くなど広く使う
「取る」は、物を手に持つ、自分のものにする、何かを取り除くなど、さまざまな場面で使う基本的な表記です。目に見える物だけでなく、資格や休みなどにも使います。
- 棚の本を手に取る
- 資格を取る
- 服についた汚れを取る
- 休みを取る
- メモを取る
- 友達と連絡を取る
「本を手に取る」は物をつかむこと、「汚れを取る」は取り除くことです。また、「メモを取る」は内容を書き記すことを表します。意味の幅が広いので、ほかの漢字に当てはまらない場合にもよく使われます。
「採る」は集める・選んで用いる
「採る」は、植物や材料などを集める「採取」、必要な人や考えを選ぶ「採用」、意見を集めて決める「採決」のような意味で使います。
- 山できのこを採る
- 山菜を採る
- 検査のために血液を採る
- 新しい社員を採る
- 会議で決を採る
- よい案を採る
「きのこを採る」は自然の中から集めることです。「社員を採る」は働いてもらう人を選ぶこと、「よい案を採る」は複数の案の中から選んで採用することです。植物を集める場合だけに使う漢字ではありません。
「捕る」は動くものをつかまえる
「捕る」は、逃げたり動いたりするものをつかまえて、離さないようにすることを表します。「捕獲」や「捕まえる」の「捕」です。
- 網で虫を捕る
- ねずみを捕る
- 魚を捕る
- 野球の外野フライを捕る
虫や魚などの生き物だけでなく、飛んでくるボールを受け止めるときにも使います。野球で「フライを捕る」というのは、そのボールを落とさずにつかまえることです。
「撮る」は写真や動画を撮影する
「撮る」は、カメラなどを使って写真や映像を記録するときの漢字です。「撮影」の「撮」で覚えると分かりやすくなります。
- 家族の写真を撮る
- 景色を撮る
- 運動会の動画を撮る
- 映画を撮る
「写真を撮る」はカメラで写すことですが、「写真を手に取る」なら印刷された写真を持つことです。同じ「写真」が出てくる文でも、撮影するのか手に持つのかで使う漢字が変わります。
「魚を取る」と「魚を捕る」はどちらも使える?
「魚をとる」は、意味のどこに注目するかで「取る」と「捕る」の両方が使えます。文化庁の「『異字同訓』の漢字の使い分け例」にも、この二つの表記が示されています。
魚を手に入れることに注目すれば「魚を取る」、泳いでいる魚をつかまえることに注目すれば「魚を捕る」です。魚だから必ず「捕る」と決まるのではなく、伝えたい意味によって選べます。
「ボールを取る」と「ボールを捕る」の違い
地面に落ちているボールを拾って手に持つなら「ボールを取る」が自然です。一方、飛んできたボールを受け止める動きなら「ボールを捕る」と書けます。
「外野フライを捕る」は文化庁の資料にもある用例です。動いているものをつかまえる点に注目すると、「捕る」の意味がはっきりします。
「写真を撮る」と「メモを取る」を間違えないコツ
どちらも後で見返すために記録する行動ですが、使う漢字は異なります。カメラで画像や映像を記録するなら「撮る」、話の内容などを文字で書き残すなら「取る」です。
例えば、授業中に黒板をカメラで写すなら「黒板の写真を撮る」、ノートに書き写すなら「板書のメモを取る」と表せます。どのような方法で記録したかを考えましょう。
まとめ
「取る」は幅広く使う基本の表記、「採る」は採取や採用、「捕る」はつかまえること、「撮る」は撮影することを表します。迷ったときは「手に入れる・選び集める・つかまえる・撮影する」のどの行動かを考えて選びましょう。