酸素系漂白剤と塩素系漂白剤の違いは?掃除での使い分け
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤の大きな違いは、主成分と漂白力、使える素材の幅です。強い漂白力で白い物や台所用品を漂白・除菌したいときは、使用対象に合う塩素系漂白剤が向きます。色柄物や、塩素系を使えない一部の素材では、使用表示に合う酸素系漂白剤が選択肢になります。
ただし、「酸素系なら何にでも使える」「塩素系なら何でも強力に落とせる」というわけではありません。酸素系にも粉末と液体があり、素材や用途が違います。どちらも製品表示を確認して使い分けることが基本です。
塩素系と酸素系は主成分が違う
消費者庁の家庭用品品質表示法では、漂白剤の成分として、塩素系には次亜塩素酸ナトリウムなど、酸素系には過炭酸ナトリウムや過酸化水素などが挙げられています。
花王も、一般的な塩素系漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、漂白力が強いと説明しています。一方、酸素系漂白剤には過炭酸ナトリウムや過酸化水素が使われ、塩素系より色素そのものへの作用が穏やかなため、製品によっては色柄物にも使えます。
- 塩素系:漂白力が強い。白い物や、製品表示で使用できる台所用品などに使う
- 酸素系:塩素系より色への影響が少ない。粉末は過炭酸ナトリウム、液体は過酸化水素を使う製品がある
茶渋や食器のくすみには粉末の酸素系が使いやすい
粉末の酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムを主成分とする製品が多く、茶渋や食器の漂白、排水口・パイプ、洗濯槽、浴室小物などの洗浄に使える製品があります。
第一石鹸の過炭酸ナトリウムは、台所では茶渋落とし、ふきん・食器の漂白や除菌、排水口・パイプの洗浄、水回りでは洗濯槽や風呂釜、浴室小物の洗浄を用途として案内しています。
シャボン玉石けんの酸素系漂白剤では、40〜50℃程度のお湯での使用をすすめています。温度が高すぎると分解が急に進み、素材を傷めることもあるため、熱湯ではなく製品が指定する温度を守ります。
強い漂白や除菌をしたいときは塩素系が向く場合がある
塩素系漂白剤は漂白力が強く、台所用の製品では、ふきん、まな板、食器などの漂白や除菌に使えるものがあります。花王のキッチンハイターは、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系漂白剤で、用途に合わせて漂白・除菌に使う製品です。
ただし、塩素系は色や素材への影響も大きいため、色物・柄物、漆器、天然石、ステンレス以外の金属など、使えないものがあります。白い物であっても素材によって使用できないことがあるため、「白いから塩素系」とだけ判断しません。
ステンレスでも、製品によっては長時間のつけ置きや液の放置でサビが生じることがあります。使用時間を守り、使用後は十分に水で洗い流します。
色柄や素材への影響を抑えたいなら酸素系を確認する
酸素系漂白剤は、塩素系に比べると色への影響が少なく、色柄物にも使える製品があります。台所用の酸素系漂白剤には、メラミン食器や色物・柄物のふきんに使える製品もあります。
ただし、酸素系でも使えない素材はあります。シャボン玉石けんの過炭酸ナトリウム製品では、アルミなどの金属、漆器、ステンレス水筒の外装などを使用できないものとして挙げています。
また、酸素系には液体タイプもあります。粉末タイプと同じ使い方とは限らないため、「酸素系」という表示だけでつけ置き温度や使用量を決めず、その製品の説明に従います。
掃除では「汚れ」と「素材」の両方で選ぶ
迷ったときは、漂白力だけでなく掃除する物の素材も見て選びます。
- ステンレス水筒の内側の茶渋など、塩素系を避けたい物で製品表示が対応しているなら、粉末の酸素系
- 白いふきんやまな板などを強く漂白・除菌したいときは、対象素材に使える台所用の塩素系
- 色柄のふきんなどは、色柄物対応の酸素系を確認する
- アルミ、天然石、漆器、特殊なコーティングなどは、漂白剤の種類だけで判断せず製品と素材の取扱説明書を確認する
洗濯槽や風呂釜、排水口なども、設備メーカーが使える洗浄剤を指定している場合があります。漂白剤のパッケージだけでなく、掃除する設備側の説明書も確認します。
酸素系と塩素系は同時に使わない
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤は、同時に使ったり自己判断で混ぜたりしません。花王では、酸素系と塩素系が混ざると互いの漂白効果が弱まると案内しています。
さらに、塩素系漂白剤は酸性タイプの洗剤、クエン酸、食酢などと混ざると、有害な塩素ガスが発生する危険があります。塩素系製品の「まぜるな 危険」の表示を必ず確認し、ほかの洗剤と併用しないことが大切です。
別の洗剤へ切り替える必要がある場合は、先に使った製品を十分に洗い流し、製品表示に従ってから次の掃除へ移ります。
酸素系の粉末は密閉してつけ置きしない
過炭酸ナトリウムを使う酸素系漂白剤は、溶かすと酸素が発生します。シャボン玉石けんは、溶かした液をペットボトルやガラス容器などに密閉して保管しないよう注意しています。内部の圧力が上がり、容器が破損するおそれがあるためです。
作った液は製品表示どおりにその場で使い、密閉して保存しません。
塩素系は換気し、手袋を使う
塩素系漂白剤は強いアルカリ性の製品があり、目や皮膚に付くと危険です。花王の塩素系製品では、換気を行い、炊事用手袋や必要に応じて保護メガネを着用するよう案内されています。
また、薄めた塩素系漂白剤を自己判断でスプレー容器に入れるのは避けます。霧状の液を吸い込んだり、目に入ったりするおそれがあるため、製品に指定された使い方を守ります。
まとめ
強い漂白・除菌が必要で、対象素材が対応しているなら塩素系、色柄や素材への影響を抑えながら茶渋などを落としたいなら酸素系が使いやすい、というのが基本です。ただし、酸素系にも粉末・液体の違いがあり、使えない素材があります。どちらも製品表示と掃除する物の取扱説明書を確認し、混ぜずに単独で使いましょう。