「計る」「測る」「量る」の違いは?使い分け方

言葉・日本語
ソボチエ編集部

「計る」「測る」「量る」は、どれも「はかる」と読みますが、何を調べるかで使い分けます。時間や数なら「計る」、長さ・距離・温度などなら「測る」、重さ・容積なら「量る」が基本です。

例えば「走る時間を計る」「走った距離を測る」「荷物の重さを量る」と書きます。三つとも数値を調べる場面で使いますが、測る対象を考えると漢字を選びやすくなります。

「計る」「測る」「量る」は何が違う?

文化庁の「『異字同訓』の漢字の使い分け例」では、次のように説明されています。

  • 計る:時間や数などを数えたり、タイミングを考えたりする。「時間を計る」
  • 測る:長さ・高さ・深さ・広さ・程度などを調べる。「距離を測る」
  • 量る:重さや容積などを調べる。「体重を量る」

「計算」「測定」「計量」という熟語も、違いを覚える手掛かりになります。ただし、漢字の意味が重なる場合もあるので、使い分けは絶対に一通りというわけではありません。

「計る」は時間・数・タイミングに使う

「計る」は、時間や数を調べたり、計算したりするときに使います。小学館の『デジタル大辞泉』や漢字ペディアにも、時間を調べる例が載っています。

  • 「ストップウオッチで50メートル走のタイムを計る」
  • 「料理をゆでる時間を計る」
  • 「合図から返事までにかかった時間を計る」
  • 「相手の様子を見て、話しかけるタイミングを計る」

「時間を計る」は、時計やタイマーで経過時間を調べる場合です。一方、「タイミングを計る」は、いつ行動するのがよいかを考える意味になります。

漢字ペディアでは、「計る」に見積もる、計算するなどの意味も挙げています。実際に時計で数字を出す場面だけでなく、頃合いを考えるときにも使えるのが特徴です。

「測る」は長さ・高さ・距離・温度などに使う

「測る」は、ものさしや温度計などの基準を使って、長さ・高さ・深さ・広さ・程度を調べるときに使います。

  • 「定規で机の幅を測る」
  • 「学校までの距離を測る」
  • 「プールの水深を測る」
  • 「温度計で部屋の温度を測る」
  • 「体温を測る」「血圧を測る」

「測定」「測量」という熟語を思い出すと、使う場面を考えやすくなります。数字だけでなく「運動能力を測る」のように、力や程度を調べる場合にも使います。

「測る」は道具を使う場合だけの漢字ではありません。「真意を測りかねる」のように、人の考えを推測する意味でも使われます。

「量る」は重さ・容積・分量に使う

「量る」は、重さや容積などを調べる場合に使います。料理で材料の分量を確かめたり、体重計で体の重さを調べたりするときに使う漢字です。

  • 「はかりで小麦粉の重さを量る」
  • 「体重計に乗って体重を量る」
  • 「計量カップで水の容量を量る」
  • 「容器に入る水の量を量る」

文化庁は、「重さを量る」「立体の体積を量る」「容量を量る」を用例として挙げています。

「量り売り」という言葉もあります。これは重さや容積などを量り、その分に応じて売ることです。何グラム、何ミリリットルといった量を調べると考えると覚えやすくなります。

身長と体重は「測る」「量る」のどっち?

身長は長さ・高さなので「身長を測る」、体重は重さなので「体重を量る」と書くのが基本です。

ただし、学校の身体測定などで「身長と体重をはかる」と二つをまとめて書く場合は、「身長と体重を測る」が一般的です。文化庁の使い分け例には、この場合は「測定する」と言い換えられるため、「量る」よりも「測る」が一般的だという補足があります。

  • 身長だけ:「身長を測る」
  • 体重だけ:「体重を量る」
  • 身長と体重を一緒に:「身長と体重を測る」

一つずつ書く場合と、検査全体をまとめて表す場合で、書き方が変わることがあります。どれか一つの漢字を機械的に当てはめるのではなく、文章全体で何を表すかを考えましょう。

水深と水量、時間と距離はどう書き分ける?

身近な場面では、同じものについて調べていても、何を調べるかによって漢字が変わります。

  • 水:「池の水深を測る」は深さ。「容器の水の量を量る」は容量や分量。
  • ランニング:「走った時間を計る」は時間。「走った距離を測る」は長さ。
  • 料理:「煮る時間を計る」は分数や秒数。「材料の重さを量る」は重量。
  • 部屋:「室温を測る」は温度。「部屋の面積を測る」は広さ。

例えば水のことを調べる場合でも、「水深」は水面から底までの深さ、「水量」は水がどれだけあるかという量です。そのため、「水深を測る」と「水の量を量る」を使い分けます。

人の気持ちを「はかる」ときは?

目に見えない相手の気持ちなどを推測する場合には、「測る」と「量る」の意味が近づくことがあります。

漢字ペディアには「真意を測る」「人の心を推し測る」と、「人の気持ちを量る」「推し量る」の両方が載っています。

例えば、「相手の真意を測る」は相手の本当の考えを推測すること。「相手の気持ちを推し量る」は相手の心情を考えることです。具体的な長さや重さを調べる場合と違って、表現によって漢字の選び方に幅があります。

「図る」「諮る」など、ほかの「はかる」にも注意

「はかる」には三つのほかにも漢字があります。特に、実現を目指すときの「図る」と、意見を求める「諮る」は、使う場面が違います。

  • 図る:「問題の解決を図る」「安全を図る」。目標を実現するために工夫すること。
  • 諮る:「委員会に諮る」。ほかの人に意見を聞き、検討してもらうこと。
  • 謀る:「悪事を謀る」。悪いことをたくらむこと。

「改善を図る」は改善に向けた工夫をする意味で、「改善を測る」ではありません。目的や行動によって、使う漢字が異なります。

「計る」「測る」「量る」を迷ったときは、まず時間なら計る、距離や温度なら測る、重さや容量なら量るを目安にして、何を調べるのかを確かめましょう。

参考資料