みかんの皮は掃除に使える?昔ながらの活用法と注意点

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みかんの皮は、食器についた軽い油汚れを落とす昔ながらの方法として使えます。農林水産省も、みかんの皮に含まれるリモネンには洗浄作用があり、皮の内側で汚れを拭き取ったあと、外側の表皮でこすって洗い流す方法を紹介しています。

ただし、みかんの皮は「天然だから何にでも使える」わけではありません。リモネンは発泡スチロールを溶かす性質があり、プラスチックや塗装・コーティングされた面では素材を傷める可能性があります。まずは食器など、洗い流せて材質を確認できる場所で使うのが基本です。

みかんの皮が油汚れに使えるのはリモネンを含むため

みかんなどの柑橘類の皮には、香りの成分であるリモネンが含まれています。農林水産省は、みかんの皮に含まれるリモネンを「洗浄作用の強い物質」と説明し、皮を食器洗いに活用する方法を紹介しています。

リモネンには油になじみやすい性質があり、オレンジオイルを配合した市販の住宅用洗剤でも、油汚れを溶解する成分として利用されています。

ただし、市販のオレンジオイル配合洗剤は、界面活性剤やアルカリ剤なども配合された製品です。みかんの皮そのものと同じ洗浄力があるわけではありません。

食器の軽い油汚れは皮で拭き取ってから洗う

農林水産省が紹介している方法は簡単です。

  1. 食べ終わったみかんの皮を用意します。
  2. 皮の内側にある白い繊維質の部分で、食器の汚れを拭き取ります。
  3. 次に、オレンジ色の表皮側で油汚れを軽くこすります。
  4. 最後に水でよく洗い流します。

油がべったり付いた皿をいきなり水で洗う前に、皮で油分を減らしておく使い方なら、身近な再利用方法として取り入れやすいです。

ただし、みかんの皮は食器用洗剤や消毒剤の代わりではありません。衛生面の洗浄が必要な食器や調理器具は、最後に普段どおり食器用洗剤を使い、十分にすすぎます。

発泡スチロールには使わない

みかんの皮を使うときに、特に避けたいのが発泡スチロールです。大分大学は、オレンジやみかんの皮に含まれるリモネンには、発泡スチロールを溶かす性質があると説明しています。

発泡スチロールメーカーの松原産業も、みかんを発泡スチロール箱に入れたところ表面が溶けた例について、皮に含まれるリモネンが原因になる場合があると案内しています。

食品トレーや容器など、発泡ポリスチレン製の物にはみかんの皮をこすりつけないようにします。

プラスチックは材質が分からないなら使わない

プラスチックには多くの種類があります。特にポリスチレンはリモネンの影響を受けるため、「プラスチックなら全部大丈夫」とは判断できません。

花王も、オレンジオイル配合洗剤を使えないと表示された食器については、実際の適合性を確認していないため使用をすすめていません。

プラスチック製品にみかんの皮を使いたい場合は、材質とメーカーのお手入れ方法を確認します。材質が分からない物や、透明な樹脂、光沢のある樹脂などには使わないほうが安全です。

塗装面・コーティング面・家具には安易に使わない

みかんの皮の活用法として、家具や床を磨く方法が紹介されることがあります。しかし、現在の家具や住宅設備には、塗装、ニス、ワックス、防汚コーティングなどさまざまな表面加工があります。

市販のオレンジオイル配合住宅用洗剤でも、水性塗装面、漆・ニス・ペンキ塗装面、ワックス床などを「使えないところ」としている製品があります。これは市販洗剤についての注意ですが、みかんの皮も成分が残ったり表面に影響したりする可能性があるため、家具や床へ自己判断でこすりつけるのは避けたほうが無難です。

特に大切な家具や光沢のある面は、メーカー指定のお手入れ方法を優先します。

「みかんの皮を煮出した洗剤」は作り置きを前提にしない

昔ながらの知恵として、みかんの皮を水で煮出し、その液を掃除に使う方法も紹介されてきました。しかし、煮出し液の濃度や保存期間について、家庭で共通して使える現在の公的な基準は確認できません。

そのため、この記事では、保存用の自家製スプレーを作る方法はすすめません。みかんの皮を再利用するなら、農林水産省が紹介しているように、食べ終わった皮をその場で食器の油汚れに使う方法のほうが、手順が明確です。

市販のオレンジ洗剤とみかんの皮は別物

「オレンジオイル入りの洗剤が家じゅうに使えるなら、みかんの皮も同じ」と考えるのは避けましょう。たとえばリンレイの住宅用オレンジクリーナーには、オレンジオイルのほか、界面活性剤、アルカリ剤、溶剤、金属封鎖剤などが配合されています。

市販品は、成分の濃度や使用方法、使える素材・使えない素材を決めたうえで製品化されています。家庭のみかんの皮にはそのような使用条件が決められていないため、市販洗剤と同じ用途へ広げないことが大切です。

使うときの注意点

  • 発泡スチロールやポリスチレン製品には使わない
  • 材質が分からないプラスチックには使わない
  • 塗装、ニス、ワックス、コーティングのある面には自己判断で使わない
  • 大切な家具や家電の表面には使わない
  • 食器に使ったあとは、汚れや皮の成分を十分に洗い流す
  • 柑橘類で皮膚に刺激が出る人は、直接触れ続けない

みかんの皮は身近な再利用方法ですが、専用の掃除用品ではありません。落ちない汚れを無理にこすらず、素材に合った中性洗剤などへ切り替えます。

まとめ

みかんの皮は、リモネンの性質を利用して、食器の軽い油汚れを拭き取る用途に使えます。皮の内側で汚れを拭き、外側で軽くこすってから、よく洗い流すのが基本です。

一方、発泡スチロールや材質の分からないプラスチック、塗装・コーティングされた面には使わないほうが安全です。昔ながらの知恵を使うときも、現在の素材や製品の取扱説明書を優先しましょう。

参考資料