静電気はなぜ起こる?冬に起きやすい理由としくみ
静電気は、物どうしが触れたり、こすれたり、離れたりしたときに電子が移動し、一方に電気が偏ってたまることで起こります。冬に「パチッ」と感じやすいのは、空気が乾燥しやすく、たまった電気が逃げにくくなるためです。さらに暖房で室温が上がると相対湿度が下がり、室内がいっそう乾燥しやすくなります。
静電気は電子のかたよりで起こる
物質をつくる原子には、プラスの電気をもつ部分と、マイナスの電気をもつ電子があります。ふつうはプラスとマイナスがつり合っているため、物全体では電気的に中性です。
村田製作所は、異なる物質どうしが接触するなどして電子が移動すると、物質がプラスまたはマイナスに帯電し、電荷が物体に偏って蓄積された状態が静電気だと説明しています。
こすったときだけでなく、触れて離れるときにも起こる
静電気というと、服どうしをこする場面を思い浮かべやすいですが、摩擦だけが原因ではありません。接触した物どうしが離れるときにも帯電します。
村田製作所では、接触による「接触帯電」、こすれることで起こる「摩擦帯電」、接触している物どうしが離れるときの「剥離帯電」などを紹介しています。セーターを脱ぐときに静電気が起きるのも、身近な摩擦帯電の例です。
冬に起きやすい大きな理由は乾燥
乾燥した環境では、同じような動作でも帯電しやすくなります。村田製作所は、相対湿度が低下すると人や物の帯電電圧が高くなると説明しています。
ダイキン工業によると、日本では秋から冬にかけて湿度が低くなる傾向があり、さらに加湿機能のないエアコン暖房では、空気中の水分量が増えないまま室温だけが上がるため、相対湿度が下がります。冬の室内は、この乾燥が静電気を感じやすくする条件になります。
乾燥すると、たまった電気が逃げにくい
湿度が高い環境では、物の表面にある水分などを通じて電気が少しずつ逃げやすくなります。一方、乾燥した環境では電気が逃げにくく、体や衣類などに電気がたまりやすくなります。
そのため、冬は「静電気が特別に発生する季節」というより、日常の動作で生じた静電気が消えにくく、蓄積しやすい季節と考えると分かりやすいでしょう。
ドアノブで「パチッ」とするのは一気に放電するから
体に静電気がたまった状態で金属のドアノブなどに近づくと、たまっていた電気が一気に移動することがあります。これが静電気放電です。
パナソニック インダストリーは、ESD(静電気放電)を、物体や人体に蓄積された静電気が急激に放電される現象と説明しています。指先で感じる「パチッ」という刺激は、この短時間の放電によるものです。
静電気を減らしたいなら湿度を保つ
冬の室内では、乾燥を抑えることが静電気対策の一つになります。ダイキン工業は、暖房時には加湿して部屋の湿度を保つことを乾燥対策として紹介しています。
ただし、加湿しすぎると結露などが起こることがあります。部屋の状態を見ながら湿度を保ち、極端な乾燥を避けるとよいでしょう。
まとめ
静電気は、物どうしの接触・摩擦・剥離などで電子が移動し、電気がかたよってたまることで起こります。冬は空気が乾燥しやすく、暖房で相対湿度も下がりやすいため、たまった電気が逃げにくくなります。ドアノブなどで「パチッ」とするのは、その電気が短時間に一気に放電するためです。