鏡が曇るのはなぜ?お風呂や洗面所で起こるしくみ

身近な科学・しくみ
admin

お風呂や洗面所の鏡が白く曇るのは、空気中の水蒸気が冷たい鏡の表面で冷やされ、細かな水滴になるからです。さらに、その小さな水滴が光をいろいろな方向へ散らすため、鏡に映る像が見えにくくなります。つまり、鏡の曇りは「結露」と「光の乱反射」が重なって起こる現象です。

鏡の曇りの正体は、表面についた細かな水滴

空気が含んでいられる水分の量は、温度によって変わります。ダイキン工業では、暖かい空気は多くの水分を含めますが、冷えると含める量が少なくなり、空気中にいられなくなった水分が水滴となって結露すると説明しています。

気象庁では、空気を冷やして相対湿度が100%になり、水蒸気が凝結して露を結び始める温度を「露点温度」としています。浴室の暖かく湿った空気が、温度の低い鏡の近くで冷やされると、鏡の表面に細かな水滴ができます。

お風呂で曇りやすいのは、暖かく湿った空気と冷たい鏡が出会うから

入浴中は、お湯やシャワーによって浴室内が暖かくなり、水蒸気も多くなります。一方、入浴直後の鏡は、室内の空気より低い温度のままのことがあります。

TOTOは、入浴して温まった空気が温度の低い鏡に触れることで結露が発生すると説明しています。特に冬場は浴室や鏡が冷えているため、この現象が起こりやすくなります。

洗面所でも、浴室から湿った空気が流れてきたときや、お湯を多く使って周囲の湿度が高くなったときなど、湿った空気が冷たい鏡に触れれば同じしくみで曇ります。

なぜ水滴がつくと白く曇って見えるの?

鏡は、表面がなめらかなため、光を一定の方向へ反射して像を映します。ところが、表面に細かな水滴がたくさん付くと、その水滴の表面で光がさまざまな方向へ反射します。

NGKサイエンスサイトでは、お風呂の鏡やめがねが曇るのは、表面で水蒸気が冷やされて細かな水滴になり、その水滴によって光が乱反射するためと説明しています。この乱反射によって、本来の鏡像がぼやけ、白っぽく見えるのです。

鏡を温めると曇りにくくなる理由

LIXILは、浴室の鏡が湯気や結露で曇る場合、シャワーでお湯をしばらくかけて鏡自体を温めると、曇りを軽減できると案内しています。

鏡の温度が上がると、暖かく湿った空気が鏡の表面で急に冷やされにくくなります。そのため、水蒸気が細かな水滴へ変わる結露が起こりにくくなるというわけです。ただし、浴室内の湿度が高い状態が続けば、再び曇ることはあります。

換気すると曇りにくくなるのも同じ理由

ダイキン工業は、結露を防ぐには水分の多い空気を外へ出す、つまり換気することが基本だと説明しています。浴室や洗面所でも、換気によって空気中の水蒸気が減れば、鏡の表面に水滴ができにくくなります。

「鏡を温める」は温度差を小さくする方法、「換気する」は空気中の水分を減らす方法です。どちらも、結露が起こりにくい条件に近づける対策です。

乾いても白いなら、曇りではなく水アカのこともある

入浴中だけ白くなり、乾くと元に戻るなら、主な原因は湯気や結露による曇りです。一方、LIXILは、浴室の鏡には湯気や結露による曇りとは別に、水アカ(シリカ汚れ)で白く曇って見える場合もあると案内しています。

水滴が消えても白さが残る場合は、結露とは別の汚れが付着している可能性があります。特殊なコーティングがある鏡は使える洗剤やお手入れ方法が異なるため、製品の取扱説明書に従ってください。

まとめ

鏡が曇るのは、暖かく湿った空気が冷たい鏡に触れ、水蒸気が細かな水滴として結露し、その水滴が光を乱反射させるためです。お風呂では高温多湿になりやすく、鏡との温度差も生まれやすいため、特に曇りやすくなります。鏡を温めたり換気したりすると曇りが軽くなるのは、この結露が起こりにくくなるからです。

参考資料